今日は、試験終了後に生じる不安の一つであるマークミス、転記ミスについて書いて行こうと思います。
まさかマークミスの不安に、筆者である自分自身がとらわれるだなんて、試験前は夢にも想像していませんでした。
試験を受ける前に「マークミスが不安で仕方がない」というネット上の声を耳にすると、そんな凡ミス有り得ないと他人事のように思っていました。
私がマークミスの恐怖に合格発表当日までの45日間もの間、苛まれ続けたのは、社会福祉士試験の三か月前に受験した宅地建物取引士試験でした。
その回の合格点は50点中の36点で、自己採点も36点でした。
ボーダーラインぴったりの自己採点結果になるとは、想像していませんし、狙って出した点数でもありません。
事前予想では、35点か36点になると叫ばれていたため、1問でもマークミスの失態をしてしまったら、アウトという極限状態に立たされていました。
試験本番ではしっかりとマークシートに記入していたはずでしたが、絶対に正確にマークできていないと未来がないというプレッシャーの重圧から、「マークミス病」という現象を自ずと作り出していました。
仕事中は、比較的気を紛らわせることができましたが、家にいても、外出していても、試験結果が気になって仕方がありませんでした。
たまに気晴らしに旅行に行っても、友達と過ごしていても、心は上の空でした。
合格ライン、割問、マークミス、転記ミス、自己採点ミス、消し跡が正しく採点機に認識されているかどうかの不安が、頭の中で堂々巡りしていました。
マークミスの不安によって私生活に異変が生じました。
こんなことを連日連夜続けていると、日常生活に異変が生じるようになりました。
一つ目は睡眠不足の問題。
深夜遅くまで、不安を和らげるために、一つでも新しい試験情報を目にするために、ネットの世界を徘徊していました。
二つ目は、記憶力に自信がなくなったことです。
あまりにも、マークミスを気にするあまり、仕事中に職員から聞いた連絡事項や、確認事項について、その時はしっかり覚えていたつもりが、すぐに消え去っている現象が何度も発生しました。
「あれ?あの時本当にああいう風に言ってたっけ?」「なんて言ってたんだっけ?」と、度忘れが重なり、自分自身の記憶力を信じられなくなっていました。
「マークミスが起きて、不合格になってしまう」という最悪な未来予想図を描き続けていたことで、日常的に真実と妄想が入り混じってしまったような現象が生まれたのだと思います。
三つ目は、社会福祉士試験の勉強に、全く手をつけられなくなってしまったことです。
翌年の1月に迫っていましたが、11月の宅建試験合格発表が出るまで、気が漫ろになってしまって、勉強モードにスイッチを切り替えられませんでした。
以上の理由で、合格発表までは気が気じゃなくて、自分が自分ではないようでした。
自分の弱さや、心を整えることの難しさを、痛感していました。
最難化の第5回公認心理師試験でマークミスの不安に再び支配されることになりました。
この記事を書いてから5年が経ちましたが、未だにアクセス数が年間通して多いところを見ると、各種資格試験を受験された方がマークミスの不安からご覧いただいている実態が浮かんできます。
かくいう私も11年前に受けた宅建士試験ぶりに、再受験で臨んだ公認心理師国家試験で、この記事で書かれたいるように、再びマークミスの不安に襲われる40日間を送ることになりました。
自己採点では合格推定点を超えていたので、マークミスさえなければ合格しているであろう結末を信じていましたが、試験が想像以上に難しく、ギリギリまでマークしたり、消しなおしたりして、しっかりとマークできているかどうかの自信が持てずに、不安定な日々を過ごしていました。
私が受験した第5回公認心理師試験は、難易度は難しかったはずなのに、合格点が下がらないという推測があったのと、今回が受験ラストの機会だったプレッシャーが後押しして、ノイローゼに近い状況でしたので、マークミスの不安はよくわかります。
マークミスの心配を極度にする人ほど、大丈夫
蓋を明けてみれば、20代後半に受けた宅建士試験も、30代後半に受けた公認心理師試験も、マークミスはありませんでした。
マークミスで不合格になった方は、試験終了後に「マークミス」など気にも留めていなかったような方のようでした。
「マークミスに遭ったらどうしよう」という神経を鋭敏に働かせられる方ほど、問題ない場合が多いようです。
私のようにこれまでマークミスなど一切心配したことがないような人間も、ボーダー上にいると不安な心理から、余計な想像を広げてしまうものです。
確かに、毎年自己採点ミスで点数が違っていたという方は数名いらっしゃいますが、合格発表後は、圧倒的に「マークミスがなくて、受かっていました」という報告が優っています。
例えば、家を出た後に、しっかりとドアの鍵をかけたのか不安になって確認しに行ったことはありませんか?
いざ目視すると、十中八九施錠されていたはずです。
試験でも無意識的にでも正しい行動を起こしているものです。
マークシートが採点機に正しく読み込まれなかったらという不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
試験の注意事項で「消しゴムの痕は残さないでください」とありましたが、たとえマークシート用の消しゴムでも、完全に痕跡を消すことは不可能です。
かすかに痕が残ってもそこで測定不能になったことは私の経験上一度もありませんから、杞憂に終わることを願っています。
最後に、私がマークミスの恐怖で眠れない時に、ネット上で目にした救いの言葉を紹介します。
Q.講師の方に質問です。
自己採点では合格点丁度だったのに不合格だったっていう生徒は毎年いますか?
もしいるとするならそれは毎年結構な数なのでしょうか。
A.極稀です。滅多にない事ですがいらっしゃいます。
生徒さんの点数は前もって解っていますので、ボーダー発表後には当落が解ります。
最初はこちらからは連絡等は一切しませんが、合格者の方からは電話が入ったり、学校に「先生いますか?」と尋ねてきて下さいます。
しかし、発表の際にボーダーなのに不合格になった方も本当に居ます。
マークミスでしょう。
或いは、問題用紙にあんまり○×をしていない方の場合、解答速報のときに問題を見ながら、「あ、これ確か正解の肢を選んだような・・・」という様な非常に単純なミスでカウントする方もいますので。
ここで何よりお伝えしたいのは1点。
『本当に試験中にマークミスをした方は、必ず試験後に覚えています。
頭を抱え込んでしゃがみこむ姿を見てきました。
逆に、マークミスしてたらどうしよう・・・・とか、マークミスしたかも・・・・という位の方は 実際はマークミスはしていません』 という事です。
何度も見直して提出した解答用紙です。
不安な気持ちは重々解りますが、自分を信じてください。
試験によっては、「正しいものを二つ選べ」問題のようなより正確性を求められる出題形式の登場で、より頭を悩ませる要因になりました。
マークミス、記入漏れの不安に苦しまれている方が少なくはないかもしれませんが、結果的に杞憂であるよう心から願っています。
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