第24回社会福祉士試験を受験した私の学習記録をもとに、第25回社会福祉士本試験の傾向で踏まえた上での具体的な過去問活用術を紹介します。
なお、再三申し上げていますが、ここで取り上げている勉強法が合格のための絶対式ではないので、あくまでも一つの勉強法の例として、ご覧ください。
「4年分(600問)の過去問を全科目最低3周以上反復学習する中で、一問一答式で進めて行く」というものです。
5肢一問一答式により、計3000問をこなすことができます。
時間的・精神的余裕がある方は、全科目を10周以上回すことを推奨します。
理解度は個人差がありますが、10周回せば苦手分野を入れても半分以上は理解できるようになっているはずです。
実際に、このようなやり方を基本として、第25回社会福祉士試験で85点以上取れていた合格者様もいらっしゃいました。
基礎の基礎を固めることが今後複雑化すると想定される社会福祉士試験において何より大切になってくるでしょう。
第25回試験では、過去問には出題されたことがないような初見問題や難問が多数出題されたようですが、赤マル福祉の個別成績データを参照したところ、過去問からの類似問題もそれ以上に揃っていました。
つまり、取れるところは確実にゲットすれば、奇問・難問・珍問を取りこぼしても、合格レベルには達するようにできているのです。
第26回試験以降も、勉強量のほかに、確実な知識を備えて適宜に使いこなせるかどうかが問われてくるはずです。
加えて、もう一つ大切なこととして、分野別に作られている問題集を推奨します。
特に学習開始の時期は、19科目もの出題範囲を万遍なく進めて行く方法だと、理解が浅薄になってしまう可能性があります。
やる時は、一つの科目を徹底的にマスターしていくことで、頭の中が整理されて行きます。
また、その科目で学んだ項目が、別の科目にも登場することがあります。
「これは以前出てきたな」と、過去の学習と重ねることができれば、理解度も深まるでしょう。
苦手な科目(ざっと見て難しそうな科目)から入るか、解きやすそう科目(事例が多い専門科目等)から入るか、自分にあったやり方で選んでください。
私はやりやすそうな専門科目「相談援助分野」から入りました。
社会福祉士試験に慣れるため、得点源にするためでした。導入としては間違っていなかったと振り返ります。
第25回社会福祉士試験で合格された方の中で、「過去問を中心に勉強して、毎回90~100点取れていたけれども、本番は80点前後しか取れなかった」と悔やんでいる方が見られましたが、実際の合格点は72点なので、過去問を使って合格レベルに達することが不可能ではないということを物語っています。
3000問を勉強できた蓄積の別のメリットは、初見問題や過去問からの類似問題を見たときに、直感(センス)が鋭くなることです。
「なんとなくこれな気がする」
というあの感覚です。
ファーストインプレッションというのは限られた試験時間の中でとても大切になってきて、勉強量の蓄積が本番に大切な感性を研ぎ澄ませる効果もあるのです。
+αの教養・福祉知識に有効なツールや書籍は別の機会で紹介します。