鈍足バンザイ! 僕は足が遅かったからこそ、今がある。 岡崎慎司著
僕は欠点だらけのプロサッカー選手。
足が遅い。背も低い。テクニックもない。人気もない。
そして、アタマもあまり良くない。でも、それが幸いした。
「才能がない! 」と、悟ることもないし、
毎日、強い課題意識をもって練習に取り組めるから。
高校では「レギュラーにはならないだろう」と言われたけれど、
一年生から試合で使ってもらえた。
清水エスパルスでは、フォワード8番手からのスタートだった。
それがまさか、日本代表で得点を重ね、ドイツで活躍を続けている。
周囲の人はともかく、本人も予想できなかったサッカー人生。
特に際立ったスキルもないストライカー岡崎慎司がなぜ、ここまで到達できたのか。その秘密がこの一冊に詰まっている(Amazon 説明文より引用)。
主要欧州リーグ今シーズン歴代日本人最多得点である15点に加え、所属クラブチームマインツのクラブ歴代得点ランキングで1位を記録した(それも15ゴール目は、欧州カップ戦進出への決定打になった)、今最も勢いがあるプロサッカー選手の岡崎慎司選手のルーツや考え方を知れる一冊です。
ワールドカップが来月に近づいている今、岡崎選手は日本代表でも歴代3位の得点数を記録しています。
そんな快進撃を展開している彼がなぜそのような偉業を達成することができたのか、その背景には、コンプレックスの塊があったからこそという原動力を述べています。
彼ほど我武者羅で、泥臭い姿が当てはまるサッカー選手はそういないでしょう。
彼の背中が歩んできた軌跡を物語っています。
彼の人生は決して順風満帆ではなくて、たとえ昨シーズンに所属していたシュツットガルトでは、終盤リーグ戦でわずか1ゴールしか記録を残せませんでした。
得意ではないポジションを与えられて、ケガにも苦しむ中、悪戦苦闘を繰り返していた岡崎選手は自分の可能性を信じていました。
現在の所属クラブでは、ワントップFWとして頭角を現すようになりました。
自分の能力を認め、自分ができる方法でひたすら努力を重ねた結果、周囲にも認められて、活かせる役割を与えられて、現在の岡崎選手が存在しています。
本書の中で印象的だったのは、
数学や英語が苦手だとしたら、得意分野でカバーするという人間は多いが、自分の場合はあえて苦手分野を克服すべく努力を人一倍する。
というような文章がありました。
そういった誰もが真似できないような地道な努力を欠かさずに繰り返してきたからこそ、いざという場面で結果が伴ってきたのでしょうね。
ワールドカップでの活躍も楽しみですが、その前に本書を読んでモチベーションの栄養素に繋がります。