宅建士は法律の登竜門的な国家資格で、比較的受かりやすい。
私は25歳くらいの時に、宅建士試験受験の決め手になったのが、ネット上で目にしたこのキーワードでした。
『だから、あなたも生きぬいて 』の著書である大平光代さんが、生まれて初めての受験として宅建士を受けて一発合格されていたことからも、国家試験の経験がない自分でもイケるんじゃないかと、勇気が芽生えていました。
「回によっては50問中15問間違えても合格できるし、科目毎の足切りもないから、過去問を一周しておけば軽く受かるだろう」という、甘い見込みでした。
それは受験開始前だけではなくて、試験直前までこの過信が絶えずありました。
初めての国家試験の結果は、想定外の惨敗ぶりです。
6割どころか、5割程度しか解けませんでした。
試験問題を開いてみて、民法はもちろんのこと、得点源の宅建業法すら、はじめて目にするような問題と選択肢の連続で、頭が真っ白になりました。
今までのやり方(勉強法)が全然通用しない!
完全に計算が狂っていました。
自分のプライドが崩れ落ちた瞬間です。
こんなはずじゃなかった。
なにがいけなかったんだ。
宅建は、誰でも受かるレベルじゃなかったのか。
問題の運が悪かっただけなのか。
自問自答の連続の中、不合格の現実を認めることはできませんでした。
自己採点終了後に、いち早く不合格の現実に目の前が真っ青になった自分には、自分の勉強法のどこに問題があって、間違っていたのかを的確に分析できる冷静さはありませんでした。
続く