前々回は、「宅建は誰でも受かる?」
前回は、「初めての宅建受験に完全敗北した私」
宅建試験について、今までのやり方は通用しなかったのです。
これまで受検してきた漢検(準1級除く)、秘書検、英検は、過去問を一通り回したやり方で、突破できました。
そして、過去問を暗記する勉強法でなんとかなったのです。
しかし、宅建試験の場合は、同じようにはいきませんでした。
広大な範囲の中、聞き慣れない法律用語の羅列を一度や二度見ただけでは、「解ったつもり」止まりだったのです。
事例問題や判例問題等、その場で学んだ知識を応用させて答えさせる出題が増えている宅建試験です。
なぜそのような解答になるのかを、体系的に理解していなかった自分が太刀打ちできるはすがありませんでした。
その顛末が5割強の得点です。
宅建試験の中で、受験生に苦手とされている民法においては、壊滅状態でした。
うろ覚えですが、3割くらいの得点率だったと思います。
事前学習の時点で、ちんぷんかんぷんでした。
抵当権や代理、基礎中の基礎である制限行為能力者の内容すら、原理原則を理解に苦しみました。
お恥ずかしながら、根抵当権等の正しい読み方すら知らずに、過去問を解いていました。
わからない。
面白くない。
この呪縛から解放されるために、過去問を何回か解いた程度で、撤退したのです。
民法が出来なくても、大量得点が可能な宅建業法で挽回すれば総得点で合格できる可能性もあったのですが、その宅建業法科目でさえ、おぼろげな知識で挑んだため、6割強の正当率でした。
何が間違っていたんだ。
初めて受けた宅建試験の合格発表を終えてしばらく経っても、不合格の要因を理解することができませんでした。
なまじ他資格に合格してきた実績と、四年制の大学を卒業したプライドが邪魔をしていて、「宅建ごときの試験に落ちるわけがない」という完全に下に見ていた自分が打ち砕かれたわけですが、諦めるわけにはいきませんでした。
不動産業界に就職するため?
行政書士や社労士試験等のステップアップのため?
私の場合は違いました。
はっきり言って宅建は、必ずしもこれからの人生に必要な資格ではありませんでした。
でも、宅建に受かることで、何かが変わる気がしたのです。
一度宅建の世界に足を踏み込んでしまった私、あれだけ見下してきた宅建に玉砕した私です。
当時非正規職員として勤務していた満たされない人生でしたが、合格によって少しでも自信をつけたいという思いも、根底にありました。
意地にでも合格してやりたい。
背水の陣によって、新年に入った1月には、再受験を決意しました。
受験のことは、家族と一部の友人にしか話していませんでした。
宅建試験は、自分との闘いでした。
続く