11月は「過労死等防止啓発月間」です |報道発表資料|厚生労働省より
11月は「過労死等防止啓発月間」であるということをご存知でしょうか。
※「過労死等」とは・・・業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡またはこれらの脳血管疾患、心臓疾患、精神障害をいいます(厚生労働省より)。
この月間は、平成26年11月1日から施行されている「過労死等防止対策推進法」に基づくもので、過労死等を防止することの重要性について国民に自覚を促し、関心と理解を深めるために過労死等を防止するためのシンポジウムやキャンペーンを全国で行っている強化月間になっています。
平成27年7月24日には、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定されて、過労死等の防止のために講じた施策の状況に関する報告書として、平成28年10月7日に初めての国会報告となる「平成28年版過労死等防止対策白書(平成27年度年次報告)を発表しました。
大綱によると、将来的に過労死等をゼロとするために、以下の目標の早期達成を目指しています。
- 平成32年までに、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下にする。
- 平成32年までに、年次有給休暇取得率を70%以上とする。
- 平成29年までに、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上にする。
平成27年12月からストレスチェック制度が施行されたことや、大阪商工会議所が主催の「メンタルヘルス・マネジメント検定」の受検生が年々増加していることからも、メンタルヘルス対策への社会的関心が年々深まっていることがうかがえます。
ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等|厚生労働省より
しかしながら、現実的に過労死というのは、他人事ではなくていつ自分のこととして降りかかってきてもおかしくはない問題になっています。
世間を震撼させた電通職員の過労自殺事件は記憶に新しい出来事です。
福祉の世界では、まさに超過勤務によって身も心も疲弊しながらも慢性的な人員不足で休暇を取ることも出来ずに、ギリギリのところで死に物狂いで働いている方の声が私のもとにもかなり届いています。
限界に達して退職される方も少なくはありません。
そのような職場は共通して心の余裕がない労働者が多く、職場の雰囲気もギスギスしており、定時で帰ることや休みを取ること、弱音を吐くことは許されないという空気が充満しています。
帰れない、休めない、SOSを発信できない。
そのような環境に身を投じていれば、遅かれ早かれ誰でもダウンしてしまうものです。
この社会構造を変えるのは一朝一夕では行かずに、逆らうような行動はかなりの労力を要するだけでデメリットの方が多いように思えますが、誰かが作り出したルールやレールに従ったたま、死んでしまったらもっともこもありません。
私の知り合いにも昨年、過労が祟って突然死してしまった方がいるので、今は大丈夫のようでも、ある日突然倒れて亡くなってしまう恐怖を体験しています。
「死んでしまったらどれだけ楽だろうか」と想像しながら現状維持を続けられている方もいらっしゃるかもしれませんが、死んだら二度とやり直しが出来ませんし、残された人間に大きな打撃が及びます。
頑張りすぎずに自分で抱え込まず、SOSを発信する勇気を。
そして「今の世界が絶対ではない」という逃げる勇気、目を逸らす行動を忘れないでいただきたいものです。
そうは言っても当事者は誰にも頼れずに、平然を装いながら生活を過ごしている方も潜在的にかなりいらっしゃると思われます。
そのような方も、ある時耐え切れなくなって、もしかしたらどこかでSOSのサインを発しているかもしれません。
それは言葉かもしれませんし、遅刻や早退という「いつもと様子が違う」行動かもしれません。
「どうしたの?心配しているよ」という私はあなたを気にしていますというIメッセージを伝え続けることで、孤独の淵に立たされていた人間が救いのように心が癒やされるというのも過言ではありません。
現に私もいつも記事で拍手ボタンを押してくださる方や、コメントを送ってくださる方、ツイッターでイイネ!やリツイートをしてくださる方に心から救われています。
どれだけブログのネタが底をついて「もう書けない」という限界を迎えていても、「ブログいつも読んでいます」「楽しかったです」という一声をいただけただけで、俄然やる気がみなぎってウソのように新しい記事を完成できるくらい力を与えてもらえています。
そのくらい「あなたのことを気にしています」「あなたのここが素晴らしい」という眼差しは受け手にとって勇気と希望を分けてもらえるパワーがあるのです。
頑張るのが当たり前の世の中で、厳しい生存競争で、他人に弱みを見せたり、優しさを配ることはメリットがないからという風潮の先には希望はありません。
私に一人に世の中を変えるだけの力はありませんが、過労死や快適な職場づくりを自分のこととして考えるきっかけにしていただき、みなさんならではのやり方で少しでも何らかの行動に移していただければ嬉しいです。
みなさんの優しさや声がけを必要としている方が傍にいます。