ボクは古典派なんだけど、ウカるんちゃんは何派ダイ?
とうとつな質問ね。
国語の勉強の話をしているのかしら?
違う違う、クラシック音楽の話だよ。
ボクは古典派の巨匠であるモーツァルトとベートーヴェンの曲が好きなのさ。
タイゴウくんは演歌やポップスだけでなくてクラシック音楽も好きなのね♪
モーツァルトの名曲「アイネクライネナハトムジーク第二楽章」みたいなリラックス音楽も好きだし、ベートーヴェンの「月光第三楽章」のような激しい情動を感じる曲も好きだよ。
私はバロック時代のヴィヴァルディが好きね。
「四季」の春や冬はスイスで修行をしていた頃によく聴いたわ。
「冬の第一楽章」はCMやゲーム音楽でもオマージュされてよく使われているよね。
ヴィヴァルディは音楽家だけではなくて児童福祉の貢献者ということをご存じかしら?
えっ!?ヴィヴァルディに養子がいたなんて初耳だよ。
養子の話ではないわ。
水の都ベネチアで生まれたヴィヴァルディは、身寄りのない子どもたちを預かるピエタ慈善院という施設で、少女たちに音楽を教える先生だったのよ。
ミュージカルティーチャーだったわけかぁ、子ども達は音楽の才能が伸びただろうね。
ええ。
少女たちによる演奏会は評判を呼び、ヨーロッパ中から聴衆が詰めかけるほどになったの。アイドルのような人気を得た少女楽団を足がかりとして、ヴィヴァルディは作曲家としての成功をつかんだのよ。
今で言うAKB48のようなイメージが湧くね。
作詞家の秋元康先生のような出世街道を渡り歩いてきたんだね。
秋元康さんはAKB48がブレイクする前に、美空ひばりさんの代表曲「川の流れのように」の作詞家としても実力が認められていたけれどもね。
その冷えピタ慈善院は今でも存在しているのかい?
ピエタ慈善院は既にないけれど、同じ敷地の奥にその後身であるヴェネツィア県立慈悲の聖母マリア児童施設があるわ。
出産と幼児養育の両面で若い母親を支援しているの。
ヴィヴァルディの残した功績はすごいね。
過去が今に繋がっているってステキだね。
ええ、歴史というのは身近な世界だってことを教えてもらえるわね。
精神・社会福祉士試験の共通科目にある「現代社会と福祉」に登場する人物達の半生を追うことで、私達の生活に直結する何かに気づけるかもしれないわね。
タイゴウマザーも昔はヴァイオリニストだったって、オセッタイ姉さんから聴いたことがあるんだ。マミーの行方を知るためにヴァイオリンの歴史を勉強したいと思うよ。
そういえばタイゴウくんは、お父さんとお母さんと離れ離れになって探し回っているところだったのよね。
とりあえず、このゴールデンウィーク中に映画「ライオン」を観に行きタイよ。
グーグルアースを使って25年ぶりに故郷に辿り着くって言う実話のエピソードだから何かヒントをつかめるかもしれないからね。
お父さん、お母さん、そして妹のタイムちゃんと再会が実現するといいわね。