「孤独死」とは、内閣府の高齢社会白書によると、「誰にも看取られることなく息を引き取り、相当期間放置されるような、悲惨な孤立死(孤独死)」と言われています。
人のつながりが希薄になっており、頼れる人間が少なくなっている現代社会では、孤立死の問題は他人事ではなくなっています。
ニッセイ基礎研究所は、死後4日以上経過して遺体が見つかった65歳以上の高齢者を「孤立死」としています。その数、年間1万5,603人ですから1日に42人が「孤立死」していることになります。
「死後2日以上」まで広げると、2万6,821人ですから1日73人、1時間に3人が「孤立死」していることになります。
(1時間に3人の高齢者が孤立死・孤独死している日本社会 - 絶望の国の不幸な高齢者たち|すくらむ)
福祉業界に携わっている方の多くは、この孤独死問題と対峙する場面が多々あるのではないでしょうか。
孤独死は高齢者のみが対象ではなくて、若者も如実になっています。
2008年に自宅で亡くなった飯島愛さんの孤独死問題はその代表例ですよね。
特に他者との関係が希薄な東京では、年間100人以上もの孤独死が生じています。
◆30代男女 = 計154件/年
◆20代男女 = 計94件/年
(他人事じゃない!若者の「孤独死」を防ぐ◯◯とは!?13年 )
若い世代は高齢者向けの地域・見守りシステムなどの対象になっていないため、死に至るケースも少なくないという見立てがあります。
東京都世田谷区では、若者と高齢者がともに過ごせるシャアハウスのような住居を実現化させる構想が練られています。
⇛参照「高齢者の孤独」を癒す「学生・若者とのホームシェア」の可能性は
実際にNPOむすびは、練馬区でシェア住宅を募集しています。
〈対象物件概要〉
□練馬区光が丘3-9-3 (2F にむすびの事務所があります)
□都営大江戸線終点「光が丘」駅 A5出口より 徒歩3分
□3LDK の部屋に、高齢者1名、若者2名で生活
〈家賃〉 高齢者:119,000円~(6.5 畳~)/ 若者:51,000 円~(4 畳~) (管理費・水道光熱費込。別途、入居時に事務手数料あり)
〈むすびによるサポート〉 相談受付、コーディネート、共有部分の掃除(週1)、同じ建物にケアマネジャーとヘルパー常駐、24 時間緊急連絡受付など
⇛参照「ただいま。おかえり。のある暮らし。【高齢者×若者シェアハウス】」
SNSやインターネット社会で人と人とのつながりが深まっているという見方もある一方、このような実情を鑑みると、人間関係のあり方について再認識させられます。
本書は、自分のこととして将来のことを見つめなおすきっかけになりました。
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