合格点が6割基準を超えた第30回試験を受けて、「このまま行くと第32回試験もあの回のように7割近くに到達して、あの勉強法ではとても合格レベルの実力を身につけるのは不可能なのではないか」と戦々恐々とされている方がいらっしゃるかもしれません。
あの勉強法=過去問中心勉強法です。
みんなと同じことをやっているのでは、合格率が30%を切る最新の社会福祉士試験には太刀打ちできないから、別の方法を実践しなければならないと焦っている方もいるかもしれません。
試験終了後になると決まってこのような声がネット上には木霊しています。
今年は難化した。
試験傾向が変わった。
過去問中心勉強法ではこれからはもう受からなくなるかもしれない。
● 「過去問題が通用しなくなった」という叫び
その主な理由は、過去問から出題されていないような新出問題が増えているからというものです。
確かに、一理あります。
過去問一点学習で取り組んだ私も、実際に新出問題には苦戦しました。
毎年必ず過去問では見たことないがないようなクセのある問題もぼちぼち出されています。
それらの難問は全滅覚悟だったのですが、いざ自己採点をしてみると、2問に1問は解けているような結末でした。
これは、過去問を何度も解いていて本番形式に慣れていたことによる賜物だと振り返ります。
目を通してみて正解が分からなくとも、センスやひらめきで解けていたのです。
過去問を多く解いていると、頻出されている問題や、キーワードに気づいていくため、勘の良さが鋭くなります。
そして、解けば解くほど消去法のテクニックも自然に身につくのです。
「過去問を制する者は試験を制する」という言葉は、廃った昔話ではなく、現在においても健在しています。
たとえ新出問題がボロボロだとしても、その他の基礎問題を取りこぼさなければ合格できるように作られています。
第25回試験は前代未聞の過去問鉄板説を覆したような波乱の回に終わりましたが、26回試験以降は過去問がベースのような基礎問題が散りばめられているのが特徴的です。
第30回と第31回試験は如実に表れており、相対評価というのもあって合格点がぐっと上がりました。
つまり過去問を押さえる方法は、社会福祉士試験に合格する上での必須行為となっています。
「過去問題集」と銘打ったものでなくても、一問一答問題集や受験ワークブック等も基本的には過去の出題がベースになっているので共通しています。
過去問からの類似問題は、毎年必ず数十問は出題されているので、過去問ベース群を確実に得点源にできるかどうかで合否が分かれるのです。
また、午前科目でまんまと面食らってしまった受験生も、午後科目で挽回することも可能なのです。
午後科目は、正しい型さえインプットしていれば、事例問題等を通して大量得点できるのです。
そもそも毎年の傾向ですが、午前科目の方が、出来の悪い方が圧倒的に多いです。
実際に、午前は4~5割くらいの出来でも、午後が7~8割得点できて、総合で合格ラインの6割を上回って合格されている方が多数いらっしゃいます(自分もそうでした)。
「過去問を勉強するだけでは受からない」と戦々恐々とされている方は、まずは今お使いの問題集を制覇できるくらいの段階になったらもう一度訴えていただきたいです。
その場合は模擬問題集や一問一答問題集等で応用力を身につけられることをオススメします。
勉強の不安は試験当日までつきものなので、不安をどうにかしようとすればするほど増幅して行くものです。
実態のないものに支配されるよりも、目の前の現実をこなせているのかという事実に着目し続けることで、絶対合格がぐっと近づいてきますよ。