ここ数日間で取り上げた精神保健福祉士・社会福祉士の追加合格記事ですが、他資格試験でもありました。
後述しますが、精神保健福祉士・社会福祉士試験ではかつて一度も今回挙げたような採点読み取りミスによる追加合格はなかったので、「もし自分がこんな目に遭ったらどうしよう」という不安がよぎったとしても、杞憂に終わることになるでしょうから、他資格試験の参考としてご覧ください。
直近では、昨年の前記に実施された保育士試験の筆記試験です。
不適切問題が1問発覚し、3名の追加合格者が決定したそうです。
続いては、創設されてまだ歴史が浅い公認心理師試験の第一回目です。
合格発表後に不適切問題が発覚して、418名が追加合格になったようです。
続いては、同系統福祉資格としても有名な介護支援専門員(通称ケアマネ)です。
直近では平成25年第16回試験結果で生じたようです。
◆ 北海道会場での試験結果より
合格発表日の8日後に4名の追加合格者が出ました。
なお、追加合格にまつわる原因、詳細は不明だそうです。
>平成25年12月10日付で合格発表をいたしました第16回(平成25年度)北海道介護支援専門員実務研修受講試験に追加合格者がございました。今後このようなことがないよう細心の注意を払ってまいります。※平成25年12月18日付けで、4名の合格者を追加しております。
追加合格情報より
◆ 山形会場での試験結果より
同じく山形での実施結果でも追加合格者が発生しました。
3名の追加合格者数です。
原因は、マークシートの読み取り違いミスだそうです。
合格発表日後に、3名から「自己採点結果と結果が違う」という指摘を受けて、協議会で確認をしたところ、正答だったマークが不正解として処理をされていたようです。
要因は消し方が不完全だったため、機会が誤認したようです。
答案を目視をしたところ判明したとのこと。
>山形社会福祉協議会は14日、県から指定を受けて実施した今年度の介護支援専門員実務研修受講試験で、マークシートの読み取り違いがあり、3人が追加合格になったと発表した。受験者1723人のうち、合格者は計253人になった。
同協議会によると、試験はマークシート方式で10月13日に実施。今月10日に合格発表したところ、「自己採点と結果が違う」と3人から問い合わせなどがあった。目視で確認すると、消し方が不完全な箇所を「マークされている」と機械が読み取り、不正解になっていたという。
他の受験者で読み取り違いが想定される511人の解答用紙も目視で再確認し、問い合わせがあった3人が合格基準に達していたことがわかった。読み取り機械を点検したが、問題はなかったという。同協議会は「大変異例なことで、不合格扱いされた方には心よりおわび申し上げる。今後このようなことがないように、目視で確認することも視野に入れて検討したい」としている。
追加合格情報より
第12回試験では、なんと3634名もの追加合格者が発表されました。
要因は、出題ミスによる不適切問題の発生が確認されたことによるものだそうです。
>社会福祉振興・試験センターは1月14日、第12回介護支援専門員実務研修受講試験について、出題ミスにより正答を変更・追加したと発表した。今回の正答の訂正により追加される合格者は3,500人前後とみられる。追加合格者については、試験を実施している各都道府県から順次公表される予定。
参照:【速報】ケアマネ試験、出題ミスで3,500人前後が追加合格に――社会福祉振興・試験センター
第12回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について(追加合格者に伴う修正)
過去にも採点ミスが要因で追加合格者が生じた回があったようです。
2007年第10回山形会場での出来事です。
追加合格者は100名もの数でした。
要因は、マークシートの1問が採点されていないというものでした。
同じく合格発表後に自己採点との差を指摘する問い合わせが複数あったため、確認したところ発覚したようです。
>県介護保険室は12日、07年度介護支援専門員(ケアマネジャー)実務研修受講試験で採点ミスがあり、新たに100人を追加合格にした。 10日の合格発表後、自己採点との差を問い合わせる受験者が複数出たため、同室が再確認したところ、マークシート方式の全60問のうち1問について採点していなかったことが判明した。同試験は2936人が受験し、訂正後の合格者は計616人(合格率21・0%)となった。
追加合格情報より
機械が読み取りミスをすることなんてあるのかい!?というツッコミは他の国家試験時でも生じました。
薬剤師試験です。
>厚生労働省は8日、4月3日に発表した第94回薬剤師国家試験の合格者を1人追加したと発表した。受験者の申し出を受けて答案用紙を確認したところ、マークシートの塗りつぶしが薄いため、コンピュータが「回答なし」と認識し、不正答と判断されていた設問が複数あったという。ただ、目視では「塗ってあることが確認できた」ため、追加合格とした。合格発表後に合格者を増やすのは初めてのこと。
他にも、平成26年度公害防止管理者等国家試験や、話題になった平成25年度看護師・保健師国家試験、第19回管理栄養士国家試験において追加合格処置が施されました。
これらの記事を見て、マークミスの不安が増した方もいらっしゃるかもしれませんが、過去31回実施された社会福祉士試験と21回の歴史がある精神保健福祉士試験では一度も採点ミスによる追加合格措置はありません。
実際に私も消しゴムの痕が薄く残ってしまったマークが複数ありましたが、結果は自己採点通りでした。
150問ものマークの中、消しゴムを一切使わずに提出する方は少なくはないと思われます。
毎年40万人以上が受験する大学入試センター試験でも、採点機の読み取りミスによる追加合格というニュースを耳にしません。
あいまいなマークは職員が目視しているという情報も耳にしています。
その後の人生にも大きく影響を与えてしまうほどの本来ならばあってはならない採点ミスです。
精神保健福祉士・社会福祉士試験の採点時も細心の注意を払っているでしょう。
採点ミスが過去に一度もないということは、裏返せば採点機の精度は正確であるということです。
模範解答によって自己採点結果が上下するのは不安材料でしょうが、しっかりとマークさえされていればマーク読み取りミスはまずないはずなのでご安心くださいね。