2020年4月から変わる制度の中で、社会福祉士試験や福祉職に関連する事項に着目して概要をまとめました。
特別養子縁組制度の改正と、児童福祉法、児童虐待防止法の改正になります。
参照
1.特別養子縁組制度の改正
⑴ 審判申立時における上限年齢(新民法第817条の5第1項前段・第2項)
原則 特別養子縁組の成立の審判の申立ての時に15歳未満であること。
例外
①15歳に達する前から養親候補者が引き続き養育
②やむを得ない事由により15歳までに申立てできず
15歳以上でも可。
⑵ 審判確定時における上限年齢(新民法第817条の5第1項後段)
審判確定時に18歳に達している者は,縁組不可。
養子候補者の上限年齢の引上げ等
⑶ 養子候補者の同意(新民法第817条の5第3項)
養子候補者が審判時に15歳に達している場合には,その者の同意が必要。
(15歳未満の者についても,その意思を十分に考慮しなければならない。)
⑴ 二段階手続の導入(新家事事件手続法第164条・第164条の2関係)
特別養子縁組を以下の二段階の審判で成立させる。
(ア) 実親による養育状況及び実親の同意の有無等を判断する審判(特別養子適格の確認の審判)
(イ) 養親子のマッチングを判断する審判(特別養子縁組の成立の審判)
⇒ 養親候補者は,第1段階の審判における裁判所の判断が確定した後に試験養育をすること
ができる(上記①及び②)。
⑵ 同意の撤回制限(新家事事件手続法第164条の2第5項関係)
⇒ 実親が第1段階の手続の裁判所の期日等でした同意は,2週間経過後は撤回不可(上記②)。
⑶ 児童相談所長の関与(新児童福祉法第33条の6の2・第33条の6の3)
⇒ 児童相談所長が第1段階の手続の申立人又は参加人として主張・立証をする(上記③)。
引用元
2.児童福祉法、児童虐待防止法改正
◆改正法のポイント
一、親権者や里親らは児童のしつけに際し、体罰を加えてはならない。民法の懲戒権の在り方は、施行後2年をめどに検討
一、児童相談所で一時保護など「介入」対応をする職員と、保護者支援をする職員を分けて、介入機能を強化
一、学校、教育委員会、児童福祉施設の職員に守秘義務を課す
一、ドメスティックバイオレンス(DV)対応機関との連携も強化
一、都道府県などは虐待した保護者に対して医学的・心理学的指導を行うよう努める
一、児相の児童福祉司に過剰な負担がかからないよう人口や対応件数を考慮し体制を強化
一、転居しても切れ目ない支援をするため、転居先の児相や関係機関と速やかに情報共有
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