この記事で登場する国家試験キーワード
「賃貸不動産経営管理士」「社会福祉士」「精神保健福祉士」「公認心理師」試験
これから国家試験を受験される上で意識しなければならないのは、常に競争相手がいる中で、試験問題レベルが一定ではなくて、合格点も変化しうる可能性が高いという点です。
国家試験合格は年々簡単になるのではなくて、難化する可能性が高いと認識しておいた方がいいでしょう。
1週間後に実施される賃貸不動産経営管理士試験は、昨年度から国家資格化され、2年目になります。
私が受験したのは7年前の第3回試験で、当時は54.5%の合格率でしたが出題形式が前年度から変わり、かなり苦戦した記憶が残っています。
第2回試験は76.8%の合格率で、ぐっと試験傾向が難しくなった印象でした。
当時対策問題集もほとんどなくて、公式テキストを中心に勉強する他ありませんでしたが、本番では宅建士試験で感じたような「何この問題、話が違うじゃない」という焦燥感に支配され続けました。
もしもこの記事をご覧の方で、今年の試験を受験される(された)ならば、思うような出来具合でなくても、諦めるのは早いかもしれないということを実体験からお伝えします。
管理人の生々しい当時の受験体験記
それから年々合格率が下がっているようで、昨年度は第34回社会福祉士試験に近い31.5%まで下がっているようです。専門性が求められる資格試験は年々易化するというのは考えにくいことが数字からもうかがえます。
ただし、合格率だけで試験のレベルを見定めるのは危険であるという見方があります。
社会福祉士試験の場合は、新カリキュラムに変わった第22回試験以降合格率が30%弱をキープしていますが、試験問題そのものに目を向けると、第25回試験より「二つ選べ」問題が導入される等して、年々出題形式や問題傾向が変化して行っています。
近年の合格点の高さ(6割超)を見ても、受験生そのもののレベルが高まっているという点もあり、今年出題形態や傾向が変わる可能性も考えられます。
それらの事情を勘案すると、ただ単に過去問に掲載されている問題と答えを丸暗記するだけでは、合格基準の6割を突破することは非常に難しい段階に入っていると言えます。
コロナ禍によって、これまでの通用したような常識や制度が変化している中、暗記のみを求められている試験ではなくて、正しい知識を現場で柔軟に使いこなせる判断力や広い視野が求めらえていると言い換えられるように感じています。
関連国家試験の公認心理師試験は、既出の通り、第1回~3回試験までは、6割基準ジャスト合格でしたが、第4回試験では、初めて6割超えの合格点が設定されました。
実務経験Gルートラストチャンスの第5回は史上最低水準の合格点となり、経過措置期間のフィナーレを迎えました。
受験生のレベルが高かったことから、従来の合格水準に引き下げるように難易度補正が施されたのでしょうが、過去問では見たことがないような出題形式が複数あり、全体としては点数が調整されたのだと思います。
第3回試験は医学的知識を問われるような出題傾向が見られて、今後の公認心理師試験を見据えた際に、精神保健福祉士試験出題カリキュラムに被るような知識を広く身につける必要性を感じさせられました。
第4回試験は医療分野の出題は全体としては第3回試験ほど多くなくて、ブループリントに沿いながら、「正しい知識」を問う出題、過去問に登場したような類似問題、現代社会で話題に上がっている時事問題の登場が目立っていた印象があります。
第6回公認心理師試験がどのような出題傾向になるのかは想像の域に過ぎますが、第5回試験ベースの応用力を問われる出題構成になるのではないでしょうか。
過去問の重要性は変わらないということだけは予想の範囲内と言えるでしょう。
いくつかの国家試験について最新の傾向を取り上げましたが、いずれにしても試験自体は簡単ではありませんが、カリキュラムに登場する「正しい型」を身に付けて適宜引き出せる力を伸ばすことが絶対合格には欠かせません。
どのような試験問題が待ち構えていても、最後に頼りになるのは学習歴と自分を信じられる力です。
各種国家試験を受験されたみなさまが無事に帰れますように。