みなさんが勉強をしていて最も苦しい瞬間は何でしょうか。
私は何度問題を解いていても、なかなか覚えられない苦しみが幾度となく続き、自らの弱さを痛感し、やる気が削がれてしまうことが一番の苦しみでした。
問題を解く→不正解→覚えなおし→再度問題を解く→不正解
のスパイラルが続くと、モチベーションも落ちますし、
「こんな物覚えが悪い自分の能力では受かりっこない」という焦りが隠せなくなってしまうんです。
毎年このような受験勉強中で生じる焦りの声が耳に入ってきます。
私もその悔しさや自信喪失は数え切れないくらい味わいました。
何度覚えても全く数字や名前が入ってこない。
意味も分からないし、どう覚えたらよいかコツも分からない。
もし、本番でこの問題がひねりをきかせて出題されたら、確実に落っこちるだろう。
40日間で臨んだ社会福祉士試験時も、1ヶ月間で勝負を賭けた精神保健福祉士試験時も、受験ラストチャンスだった第5回公認心理師リベンジ受験時も、残された時間はわずかなのに、思い描いたように進まない自分に苛立ちを覚えていました。
イライラが抑えきれずに、プレッシャーから目を背けて問題集を閉じて逃げ出してしまう日も何日もありました。
覚えては間違え、また覚えなおしても間違えるという繰り返しはしんどいですし、できない自分に失望してしまうのも分かります。勉強の成果を感じられない時ほど、面白みを感じられない時間はありませんよね。
自分の至らなさから目をつむって、復習を一切やらずに新しい分野だけに着手することです。
私は、宅建試験で失敗しました。
どういうことかというと、前回勉強した範囲を一切触れずに、新しい問題のみ解くやり方です。
私は過去を振り返って、暗記できていない自分を受け止めるのが怖くて、見てみぬふりをしていました。
本番直前に一通り問題集を解き終えていたので、一番最初のページから恐る恐る見直してみたところ、かなり忘れていたのです。
あの焦燥感と不安感は今でも忘れません。
先日、東大医学部卒で、医学試験、司法試験に合格し、公認会計士試験に挑戦されて見事に合格された河野玄斗さん(26歳)が話題に上がりました。
そもそも日本の大学入試でも最難関である東大理IIIに合格できることからも、並外れであることが想像できますが、三国家資格に合格できている方は日本中を探してもそうはいないでしょう。
実際に本人が発信しているYOUTUEチャンネルも拝見し、公認会計士試験受験への取り組みを拝見しましたが、並々ならぬ勉強量を繰り返していました。
河野さんは、とことんやりこむ式で、「分かる」ことを楽しみながら勉強をやり尽くしている印象で、英検・数検1級も取得されていることから、本当に勉強そのものを全力で取り組まれている様子が浮かびました。
20代の河野さんが難関国家資格に合格できているのに、自分はたった一つの試験も思うように勉強できない。
このように、できる人間と比較してしまうと、自分がみじめで劣っているように思えて、勉強に身が入らなくなってしまいますよね。
私も、不合格になった後の再受験勉強の過程で、幾度となく、「できない自分」への焦り、不安が襲ってきたので、そのような心境になられる気持ちはわかるところもあります。
上には上があるので、他者との比較ではどんどん自信を失っていきますが、負のスパイラルに巻き込まれないためには、過去の自分と現在の自分とを比較して、成長ぶりを認めることです。
勉強が思うように進まない段階では、とても自信を持てないとは思いますが、過去を振り返れば、そもそも勉強をしていないところからスタートしたわけで、勉強を開始するようになったという確かな変化がありますよね。
勉強という苦行をあえて選んだ時点で、他の誰もがマネできない道を進んでいるのです。
今、やる気が出なくても、明日同じような状態かどうかは分かりません。
諦めずに、何度も何度も繰り返して覚え直していれば、いつか「わかる」時が訪れます。
まだ十分に時間はありますから、焦りすぎずに、ゆっくり覚えて行っても間に合います。