今回は4年前の第31回社会福祉士試験はどうだったのかについて触れたいと思います。
第30回試験が99点という当時過去最高水準の合格点になり、第31回試験では89点に下がりました。
明らかに試験制作委員が合格点を6割水準に戻すように作られていました。
その点では、第35回試験を受験される方にとっても、試験構成について把握しておくことで、本番のシミュレーションになるかと思います。
・第31回試験の出題文章量は第30回試験と比べても増量しています。
限られた出題時間の中で適切に判断できる考察力や洞察力が求められていました。
・単語の数(例:GDP等)は第30回試験比の半分となっていました。
・事例問題数は第30回試験と比べて28問と、変化がない構成でした。
注目すべきは「一つ選べ問題」と「二つ選べ問題」の構成です。
第30回試験が「1つ選べ問題」が138、「二つ選べ問題が」12問だったのに対して、第31回試験は「1つ選べ問題」が128、「二つ選べ問題が」22問と大幅に増加しています。
ちなみに22問は過去最多で、次いで第28回試験の20問です。
※最新の第34回試験は16問です。
第31回試験は事例問題の中において「正しいものを二つ選べ」を多数用意されていました。
奇問難問を用意して、受験生の点数を下がるようには仕組まれていませんでしたが、合格点を下げる意図がある場合は、事例問題以外での出題が散りばめられる可能性もあります。
確実に知識を蓄えて引き出せる力を身につける必要性がより求められています。
第31回試験は総じて、全体の文章量が増加して、二つ選べ問題も過去一番用意されていました。
合格点を調整させる上で、第35回試験も似た出題構成になる可能性がありますので、今から意識しておくと本番でメンタルダウンを回避できるようになります。
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ちなみに、公認心理師試験の事例問題においても、「正しいものを2つ選べ」「不適切なものを2つ選べ」といった出題は出されています。
最新の第5回公認心理師試験では、「最も適切なものを選びなさい」問題が全体で127問(154問中)も出されている点にも注目です。
主に事例問題での解釈・対応としての問いに多く見られましたが、社会福祉士としての適切な判断を求められる出題は今後も多数用意される可能性が高いです。
テキストと問題集でインプットとアウトプットを繰り返すトレーニングも肝心ですが、社会ニュースに注目しながら どのような対応が社会福祉士に期待されているのか、求められているのかを事前にリサーチしておくようなアクションもお勧めします。
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