この記事では、令和5年度精神保健福祉士、社会福祉士試験、公認心理師試験全てに共通するポイントを述べています。
・「理解したこと」「解けたこと」を1行で説明できる定着率を目指す。
・点差がつくのは「暗記問題」
初見問題(未知の問題)に対応できる応用力に意識をとられがちですが、どの試験も正しい知識を求められることが試験の本質です。
知っているか、知らないかで、合否が決まると言っても過言ではないシンプルだけれども度外視してはいけない原則論です。
『社会福祉士の合格教科書 』著者で有名な飯塚慶子氏も、令和5年度社会福祉士・精神保健福祉士試験対策で、押さえるべきポイントとして、「基本用語」を覚える重要性を動画で上げられています。
公認心理師試験においては、年度によって知識の理解レベルと事例の難易度の調整が図られますが、第6回試験がどうなろうと、「正しい知識」をいかに多くインプットしているかが要になってきます。
事例問題を解く上でも、理解していること=正しい知識を定着させていることが欠かせません。
文章量の増減によって、心理的に揺さぶってきたり、正しい型を見抜きにくく図っていることもうかがえます。
例えば、公認心理師試験の場合、
・第 5 回では「午前は約 15150 字」(第 4 回約 15500 字・第 3 回約 16600 字)「午後は約 14550 字」(第 4 回 14350 字・第 3 回 15900 字)であった。第 4 回からの読み込ませる総量は大きく変化はないものの、一部の事例問題では読み込ませる量を増やし、難易度の調整を図っていた。
第5回試験においては、心理検査毎の【名称・対象者・年齢・最低限のカットオフ値】が出題されませんでしたが、第6回試験では養成校(課程)出身受験生が前提となりますので、「正しい型」を覚えることの重要性は変わりません。
例 第4回公認心理師試験 問76より
問76 20歳の女性A、大学3年生。Aは、母親Bと精神科を受診した。Bによると、Aは、1か月前に親友が交通事故に遭うのを目撃してから、物音に敏感になり不眠がちで、ささいなことでいらいらしやすく、集中力がなくなったという。一方、初診時にAは、「事故のダメージはない。母が心配し過ぎだと思う」と声を荒げ、強い調子でBや医師の話をさえぎった。医師の依頼で、公認心理師CがAの状態把握の目的で心理検査を施行した。検査用紙を渡すと、Aはその場で即座に記入した。結果は、BDI-Ⅱは10点、IES-Rは9点であった。
CがAの心理検査報告書に記載する内容として、最も適切なものを1つ選べ。
例 第4回公認心理師試験 問138より
問138 28歳の男性A、会社員。Aは、最近、会社員に出勤できなくなり、産業医から紹介されて公認心理師Bのもとに訪れた。Aは、人前に出ることはもともと苦手であったが、1年前に営業部署に異動してからは特に苦手意識が強くなり、部署内の会議への参加や、上司から評価されるような場面を避けがちになった。Bが実施した心理検査の結果、BDI-Ⅱの得点は32点、MASおA得点は32点、L得点は5点、LSAS-Jの総得点は97点であった。
Aのアセスメントとして、最も適切なものを1つ選べ。
知っているか知らないかというのは、出題範囲の話に限ったものではありません。
社会福祉士試験・精神保健福祉士・公認心理師試験とも共通して、「白書」をベースにした出題があるという点もありますが、世の中の社会情勢に目を向けておくことも大事です。
日本語読解力を磨いておくことで勘が鋭くなり、本試験で初見問題や二つまで絞れたけれども迷った際に判断しやすくなります。
こればかりは一朝一夕では身に付きませんので、ニュースや新聞等で日常的に常識力を磨いていってくださいね。