前回
不合格から立ち直るための方法や時間というのは人それぞれで、絶対的に共通する答えはないかもしれません。
不合格を経験した人間の多くが合格発表日までつきまとう思いとして、「また不合格になるのではないか」という最悪な結末ではないでしょうか。
実際には、私自身は何度も経験しています。
一度(もしくは二度以上)不合格の苦しみや辛さを味わうと、もう二度と経験したくないと願いつつも、「また上手くいかなかったらどうしよう」という不安がつきまとうのは資格試験の宿命なのかもしれません。
そのようなとてつもない不安に苛まれていたとしたら、絶対合格率は高くなっている証です。
はぁ!?お前にゃに言っちゃってんの!?
上手くいかない未来を思い浮かべてしまうのに、合格する可能性が高くなっているという理屈が結びつかずに、疑心暗鬼な気持ちが芽生えた方もいらっしゃるかもしれませんね。
その理由は、不安が強ければ強いほど、勉強が捗る、レベルアップできる原動力になり得るからです。
不安が原動力だなんて、ますます想像しづらくなったでしょうか。
「むしろ安定したメンタルがないと、再受験合格は成し遂げられないだろう」と思われても仕方がありません。
私の経験上も、12年間の歴代の社会福祉士・精神保健福祉士国家試験再受験合格者の軌跡を見ても、不安な気持ちが強いほど、「もう二度と落ちたくはない」という決意が備わっておられます。
だから、勉強をおざなりにしないで、慎重にかつ確実に取り組めるようになるメリットがあるのです。
不合格を経験して、そこから乗り越えて新しい一歩を踏み出された人間は強いのです。
不合格というと、デメリットや負い目を感じられる方も少なくはないですが、再受験においては、アドバンテージの方が大きいという側面も注目です。
まず、ゼロからのスタート、マイナスからのスタートではありません。
既に築き上げた学習歴をよりブラッシュアップさせられて、合格に最も近い位置におられるのです。
私自身、「あと数点」で不合格になった経験を何度も繰り返している中で、共通して学んだことがあります。
それは、どの資格試験においても、あと数点で落ちているということは、まだ知識の定着があいまいな部分があり、二周目(再受験)の段階で、その不完全さを目の当たりにすることが多かったです。
自分の至らなさを知ることは一つの試練ですが、見方を変えると、「こういう意味があったのか」と再学習する喜びを得られます。
同時に、曖昧な知識があったからこそ、学び直しをした際に、脳に定着しやすくなるというメリットを体感しています。
脳が「あの時出てきた単語、キーワード」ということを覚えていて、合格するための学びの意識が高まっている状態です。
私の場合は、不合格だったのも致し方がなかったと、再学習を始めて知識のあいまいさを多々味わって再認識したような感じでした。
再受験の身としては、「この学び直しは必要だった」と認めてあげられることで、本試験当日までモチベーションを保つことができたのです。
公認心理師試験を二回(二年)勉強した効果について、合格という結果以外にも感じられています。
例えば、その後関連資格の国家資格キャリアコンサルタント試験や2級キャリアコンサルティング技能士学科試験においても感じられています。
当時学んだ分野が再登場して、一から勉強せずにスムーズに進めることができました。
何度も覚えた事柄というのは、数年経っても記憶に残っているものだと感じました。
不合格に伴う不安が強ければ強いほど、絶対合格は具現化します。