社会福祉士、精神保健福祉士試験午前科目に出題される「社会福祉の原理と政策(旧現代社会と福祉)」。
この科目を苦手とする受験生は毎年たくさんいらっしゃいました。
かくいう私もその一人でした。
勉強中に痛感していのは、
「知らない」
「分からない」
「頭に入らない」
「すぐに忘れてしまう」
「つまらない」
の五段式でした。
福祉の歴史問題的なこの科目を、どう覚えたら良いのか四苦八苦して取り組んでいました。
面白くなくて、覚えられなくてやる気が起きないから、「飛ばしちゃえば良い」という悪魔のささやきも脳をよぎりましたが、一発合格をマストとしていた私にはその選択を取れませんでした。
加えて私がこの科目に初めて手をつけたのは、試験1週間前の1月18日だったので(やりにくい科目だとわかっていたので、後回しにしていました)、残された時間がなかった私は、ある目標を掲げて取り組むことにしました。
それは、満点を目指すのではなくて、
「1点を確実にゲットすること」
です。
例年全10問出題されるのですが、過去問をそのまんま丸暗記するくらいの勢いで、3周くらい反復すれば最低限1点は取れるだろうと見立てました。
そして、試験日の1月25日に、他科目を含めて3周目を一通り終わらせたので、実質1週間も勉強していませんでした。
なぜ、10問もあるのに、たった1点を目標に掲げたのか。
それは、恐怖の0点科目だけはなんとしても避けなければならず、1点さえとれれば、他の科目で挽回できると考えたからです。
たった1点ではなくて、私にとっては1点さえ死守できれば、ノルマ達成でした。
実際に、私の周囲にも、毎年総得点は合格ラインを上回っているものの、この科目が何度受けても0点に陥ってしまうため、不合格が続いている方がいます。
5点以上取らなければと思うと、プレッシャーに押しつぶされそうになりますが、10問中1点だけ取れれば良いのだとすれば、気が楽になりました。
その結果、本番では10問中3問正解していました。
決して良い成績ではありませんが、他の科目で挽回できるため、自分の中では合格点でした。
私の場合は、残された試験日までの時間がわずかだったのもありますが、みなさんはまだ十分時間が確保できています。
覚えられなくて苦しんでいるのはみなさんだけではありません。
この苦しみと向き合い一歩先に進める勇者こそ、合格ゾーンの4割に入ることができるのです。
私はなかなか覚えられない自分に対して失望したり、勉強が嫌になる瞬間が多々ありましたが、「覚えれないのは当たり前くらい」に思っていたほうがモチベーションを保てる秘訣なのかもしれません。
よくよく考えて見れば、日常生活でもなじみがなく、経験がない語句と受験勉強を通して初めて出会うことになるわけですから、その直後にインプットできる方が特殊ではないかと思うようにしていました(年々仕事で関わる人間の名前すらすぐに忘れてしまう私です)。
今覚えられなくて苦しみの底にいても、一か月後には嘘のように脳内アップデートされている自分が待っているものです。
はじめから一点狙いをしなくても、何度も繰り返しているうちに、すっと頭に入るようになるものです。
ただでさえ新カリキュラムに変わることで、対応して行かなければならないプレッシャーもあると思いますが、多くの受験生が四苦八苦している点と、「6割程度」という合格基準を思い出すことで、肩の力を抜いて割りきってみるのも一案です。