この記事をご覧のみなさんは、勉強だけに集中できるような条件が整っていないのではないかと想像しています。
仕事や家庭との両立をしながら受験勉強に挑まれている方がほとんどではないでしょうか。
仕事に忙殺されている中、受験勉強時間を捻出することが難しいと嘆きたくなる方もおられるかもしれません。
なんとか時間を作れて、重い腰を上げて問題集を開いても、難解な用語や歴史上の人物名と功績を覚えなければならない作業をこなすことのハードルが高すぎて、やる気が削がれて、進まないという経験もあるのではないでしょうか。
そうなると、問題集やテキストを開くこと自体が苦痛になり、勉強を優先させるような生活リズムを作るのを避けるようになってしまうかもしれません。
忙しいから勉強をする余裕がないことを悩まれている受験生は毎年のようにいらっしゃいますし、私自身も今年、国家資格キャリアコンサルタント試験と国家検定キャリアコンサルティング技能士2級試験を立て続けに受験しているため、そう叫んだり、嘆いたことは一度や二度ではありません。
仕事や家庭に傾注している中、スキマ時間を作っても、勉強をすること自体に、拒絶反応やアレルギーのような嫌悪感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
仕事で疲れている中、わざわざ苦労を買って出るような勉強を選ぶようなことは避けたくて、見て見ぬふりをしようとしたことも一度や二度ではありません。
実際に数日間勉強から距離を置いたりもしましたが、離れれば離れるほど、今度は「何もできていない焦り」に駆られるようになり、かえってストレスが増幅してしまったような体験もありました。
勉強の不安は勉強をすることで解消するという逆説的な方法を取ることで、もやもやが少なくなったという結末を辿ったのです。
それでも受験を志したのには、みなさんなりの理由やきっかけがあるはずです。
この試験に合格することで自分を変えたい。未来をより良いものに変えたい。可能性を広げたいという思いを抱かれているのではないでしょうか。
苦行をあえて選択して、余裕がない中でもあえて勉強に取り組む。
誰もが選ばない人生を諦めずに進まれていること自体が成功に近づいている証でもあるのです。
そうは言っても、「他の受験生は弛まぬ努力を重ねているのだから、1時間以上は勉強しなければならない」と、自分にムチを打っても、無理が重なって息切れしてしまうだけです。
私からすれば、そんな時は問題集を1ページだけでも眺めてみるだけでも、「勉強をした」という実績に含めてあげてよいと思うのです。
1日5分でも、「勉強を継続して取り組む」という姿勢や軌跡を残すことが、明日のモチベーションにつながります。
絶対合格を勝ち取った暁に、「あの時逃げなくてよかった」という積み重ねの大切さを実感することになるはずです。
どうしてもやる気が起きなかったら、1日30秒、1問だけの復習でもいいんです。
30秒1問だけ限定ならば、忙しくてもなんとかなると思えませんでしょうか?
そんな無駄なような行為でも、積もり積もれば本番で底力になることを、私自身が昨年の今頃に受けていた公認心理師国家試験で実証しています。
「悲しいから泣くのではなくて、泣くから悲しいのだ」という感情について唱えたジェームズ・ランゲ説という言葉がありますが、勉強のやる気も、やる気が起きたからやるのではなくて、「やり始めたらやる気が起きる」というサイクルが生じるものです。
私自身、やる気が起きない時は、1日5分で半ページの復習だけ、どうしてもやる気がでないときは、1日30秒1問だけという日もありましたが、そんな短時間の連続でも、回を重ねるごとに発見がありますし、続けることで勉強時間が増えて行くようになる好循環につながっていけたのです。
心理学者クレペリンが提唱した「やる気がない状態でも、行動を始めると、やる気が出て簡単に継続できるようになる心理現象のことを「作業興奮」と呼ぶそうですが、作業を始めてから5〜10分経つと起動に乗ってくるサイクルだそうです。
やる気が起きないからこそ、まずはやってみる。
勉強の不安はあえて勉強で解消するという視点で思い切ってページを開いてみてくださいね。