社会福祉士、精神保健福祉士国家試験の受験日が近づくにつれて、「完璧に覚えなければ受からない」思考が強くなってくるかもしれません。
最近の絶対合格ブログでは、「過去問を丸暗記したレベルでは合格が難しい」と連呼しているので、パーフェクトに覚えないと受からないというプレッシャーに押し寄せられていたら、誤解であることを説明するために記事にしました。
合格するために、問題集やテキストは、完璧にマスターする必要はありません
前提として、150問もの膨大な問題の全てを解けるように仕上げようとしても無理があります。
そもそも、テキストの内容や問題集の一言一句を全て覚えるというのは、どんな人間でも無理です。
仮にテキストや問題集に掲載されている文章を全部覚えられたとしても、本試験でパーフェクトな点数を出せる保証はどこにもありません。
本試験では、テキストや問題集に掲載されているもの以外の出題も待ち構えているからです。
私の知人で複数回不合格になってしまった方がいますが、勉強法を尋ねたところ、現代社会と福祉の分野に全力を注いでいることがわかりました。
人物名と年号をくまなく覚えるという中学時代の歴史のような勉強法を実践していたようです。
苦手分野だからこそ、念入りに時間をかけて本番に立ち臨んでいるというのです。
人それぞれなので、そのやり方が間違いとは言い切れませんが、残りの17科目群に対して割く時間と余裕がなくなってしまい、偏った学習量で立ち向かったようです。
現代社会と福祉が高得点取れても、残りの科目で0点科目を出したり全体で合格ラインを超えていなければ、水の泡に終わってしまいます。
合格するためには、相応の知識量は必須ですが、パーフェクトな学習量は必要ありません。
あまりにものめりこみすぎると、本試験に必要な知識以上の研究・学術レベルにまで足を踏み込んでしまい、どんどん本質からずれて合格が遠のいてしまうという予期せぬ展開も想定されます。
以前紹介したネット検索具体的想起勉強法についても該当し、調べれば調べるほど深い情報が入ってきて、全てを完ぺきに覚えようとすると、その負担が大きくなってしまうリスクも潜んでいます。
また、関連ニュースを複数リサーチしていると、実務の現状を知ってしまったような錯覚に陥り、分かったつもりや、やる気が削がれてしまうだなんてケースもありますので、どこまで勉強するべきかのラインを意識することが肝心です。
50問間違えても受かるということを意識しておいた方が勉強が捗ります。
合格を目指す上では、全体科目で0点科目を出さずに、頻出度や重要度が高い項目をとりこぼさないことが要になってきます。
社会福祉士本試験の合格基準は6割程度で相対評価調整となっています。
過去のデータを見ても、150点中の100点強で合格できています。
「50問間違えても合格できる」というくらいに心の余裕を持ったほうが、長丁場に立ち向かう上では楽になります。
厳密に言うと、過去直近二年は合格点が6割ジャストの90点ですので、100点以下でも合格できる試験が続いています。
そう言うと、新カリキュラムに変わった今年度試験の合格点が上げるのか下がるのか不安に思われる方もおられるでしょうが、過去12年間の推移を見て、90〜100点の間で調整されるのではないかと私は考えています。
※また別の機会に合格点について言及します。
事前勉強の段階で、はじめから捨て問を想定する必要性はありません。
けれども、全部覚えないと受からないというような強迫観念に支配されていて、 不安と焦りでやる気が削がれていたら、「完璧に覚える必要はなく、50問できなくても受かる」と唱えてみてください。
私の場合、リベンジ受験を果たせた公認心理師国家試験で最も苦手意識が強かった「統計分野」は、試験前日に集中的に目を通したような一夜漬けに近い形で挑みました。
本試験ではそれほど多く出題されなかったのでそのやり方でセーフでしたし、0点科目システムも存在しないので、割り切った勉強法も時には必要だと振り返っています。
本試験で未知で解けない問題が続出した際にも、メンタルを崩さずに突破できるはずです。