11月は「過労死等防止啓発月間」であるということをご存知でしょうか。
※「過労死等」とは・・・業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡またはこれらの脳血管疾患、心臓疾患、精神疾患
最新の自殺者の推移や分析については下記のサイトが参考になります。
令和6年10月29日、「令和6年版 自殺対策白書」が閣議決定され、これが厚生労働省から公表されました。
これにより、自殺者数の年次推移をみると、令和2年に11年ぶりに増加に転じた後2万1,000人台で推移し、令和5年は前年よりわずかに減少し2万1,837人となっています。
さまざまな分析がされていますが、令和5年の職業別の自殺者数を前年と比較すると、「有職者」が男女ともに増加しています。
また、令和5年の自殺者の自殺の原因・動機を前年と比較すると、「健康問題」が男女ともに減少しており、「経済・生活問題」が男女ともに増加しています。
「経済・生活問題」は、前年の4,697件から大きく増加し5,181件となっており、令和3年後半から始まった物価高による生活苦が背景にあるとみられています。
身近なところでは、2019年4月から有給休暇の取得が義務化され、企業は年間の有給休暇の取得日数が5日を下回る社員に対し、社員から希望を聞いたうえで有給休暇を取得する日を指定しなければならなくなりましたね。
みなさんの職場環境はいかがでしょうか。
2015年12月から「ストレスチェック制度」が施行されたことや、大阪商工会議所が主催の「メンタルヘルス・マネジメント検定」の受検生が年々増加していることからも、メンタルヘルス対策への社会的関心が年々深まっていることがうかがえます。
ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等|厚生労働省より
この分野は、公認心理師、精神保健福祉士、国家資格キャリアコンサルタント試験等でも共通して出題される内容です。
現実的に過労死という言葉は他人事ではなくて、いつ自分のこととして降りかかってきてもおかしくはない問題になっています。
過労死防止対策を加速させることとなった電通職員の過労自殺事件から早8年が経ちましたが、対岸の火事とは思えないような風化させてはいけない出来事でした。
福祉の現場では、支援をする立場の労働者が、超過勤務によって身も心も疲弊しながらも、慢性的な人員不足で休暇を取ることも出来ずに、ギリギリのところで死に物狂いで働いているという声が、私のもとにも届いています。
限界に達してから退職される方も少なくはありません。
そのような職場は共通して心の余裕がない労働者が多く、職場の雰囲気もギスギスしており、定時で帰ることや休みを取ること、弱音を吐くことは許されないという空気が充満しています。
帰れない、休めない、SOSを発信できない。
そのような環境に身を投じていれば、遅かれ早かれ誰でもダウンしてしまうものです。
私にとって身近な存在で、9年前に過労が祟って突然死してしまった方がいるので、ある日突然倒れて亡くなってしまう恐怖を体験しています。
「死んでしまったらどれだけ楽だろうか」と想像しながら現状維持を続けられている方もいらっしゃるかもしれませんが、死んだら二度とやり直しが出来ませんし、残された人間に大きな打撃が及びます。
職場ではあなた様の代わりがいても、たった一度の人生ではあなた様の代わりはいないのです。
しごとより、いのち。
頑張りすぎずに自分で抱え込まず、SOSを発信する勇気を。
そして「今の世界が絶対ではない」という逃げる勇気、目を逸らす行動を忘れないでいただきたいものです。
当事者は誰にも頼れずに、平然を装いながら生活を過ごしている方も潜在的にかなりいらっしゃると思われます。
「できる社員」という仮面を被りながら過ごす毎日に疲弊している方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方も、ある時耐え切れなくなって、もしかしたらどこかでSOSのサインを発しているかもしれません。
それは言葉かもしれませんし、遅刻や早退という「いつもと様子が違う」行動かもしれません。
「どうしたの?心配しているよ」という私はあなたを気にしていますというアイメッセージを伝え続けることで、孤独の淵に立たされていた人間が救いのように心が癒やされるというのも過言ではありません。
私自身はいつも記事で拍手ボタンを押してくださる方や、コメントを送ってくださる方、Xでイイネ!やリポストをしてくださる方に救われています。
どれだけブログのネタが底をついて「もう書けない」という限界を迎えていても、俄然やる気がみなぎってウソのように新しい記事を完成できるくらい力を与えてもらえています。
そのくらい「あなたのことを気にしています」「あなたのここが素晴らしい」という眼差しは受け手にとって勇気と希望を分けてもらえるパワーがあるのです。
ごく身近なところに、みなさんの優しさや声がけを必要としている方が傍にいます。
いつだって人生の主人公はあなた様です。