2024年令和5度第12回賃貸不動産経営管理士試験を受験されたみなさま、まことにお疲れ様でございました。
国家資格化して4年目ですが、今年の受験者数は30,194名(受験率88.9%)だったようですね。
私が2年前の7月に受験した第5回公認心理師国家試験の受験者数が33,296名、今年2月に実施された第36回社会福祉士国家試験の受験者数が34,539名ですので、同じくらいの大人数が受験されたことがわかりました。
既に、この記事をご覧の方で、自己採点を終えられた受験生も多数いらっしゃると思います。
また、X等を使って、受験生全体の感想や出来具合をリサーチされている方もおられるでしょう。
私も試験終了後からついさっきまで、どのような試験で、どのような手応えの方が多かったのか調べていました。
34〜36点が有力と言われており、解答割れも複数生じているのも加わって、ボーダーに位置する方にとってみれば、合格発表日までとても不安であることだと思います。
合格発表日までまだ時間がありますので、当時の受験体験を掘り起こしてみることで、少しでも気休めになればと思いまとめました。
私の賃貸不動産経営管理士試験受験体験記
私自身、さかのぼること9年前、第3回試験の受験経験があります。
当時の受験者数は4908名で、まだ試験が開始してから3回目でしたが、前年度より出題傾向が変化し、眉間にシワを寄せながら悪戦苦闘した記憶が残っています。
前年度第2回試験の合格率は76.86%。第3回試験は54.58%で、約50%程度の合格率は以後平成30年第6回試験まで続くこととなりました。
当時は対策問題集がなかったので、公式テキストをひたすら読み直し、確認問題(復習問題)をこなすことが中心でしたが、試験問題は初見問題のような出題のオンパレードで、かなり焦りました。
想定外の難しさでした。
自己採点の結果もまさかの形になってしまいました。
第一回目は全40問中28点の7割が合格ラインなのに対して、第二回目は40問中の21点という5割強の合格水準に激変したので、年々試験自体が難化している傾向が分かりました。
そして、第3回試験はまさに難化の煽りを自分自身の肌で痛感することとなるのです。
私は4点免除システムが絡んだ登録講習を今年受講した上での受験になります。
※指定の講習2日間を連続で受講すると、2年間に限り、本試験で4点免除されるという仕組みあるのです。
しかしながら宅建と異なり、免除される科目は当日にならないと分かりません。
問題37~40までが免除となり、内容も当日知ることになります。
アドバンテージを受けての受験でしたが、予想以上に苦戦したのです。
試験時間は13時から14時30分までの90分間です。
試験の中では珍しく、途中退室が認められないルールです。
つまり、早く試験が終わっても、最後まで待っていなければならないという決まりなのです。
不正行為を防ぐための目的なのでしょうが、私は36問の試験ならば90分も不要だと甘めに見立てていましたが、いざ試験を解いてみたら、とんでもない誤算で、85分まで必死ににらめっこすることになったのです。
問1から問36まで通しで感じたことを一言で表すと、
「事前学習したものと同じような問題がほとんど出なかった」
に尽きます。
4択問題なのですが、自信を持って解けたのは全体で5問程度の印象です。
2つまでは絞り込めるけれども、1つに決めるという作業の困難さを久しぶりに感じました。
2011年に受験した宅建試験ぶりの不動産関連資格の受験でしたが、個人的には宅建受験時を強制的に思い出させるかのような難易度です。
日本語理解力や基礎知識を備えた上での応用力が求められるような構成で、とても7割以上の得点を楽にたたき出せるような試験ではありませんでした。
暗中模索のように頭を抱えながら全神経を集中させて解き続けました。
私は、第1問目の4肢を目視して瞬時に察知しました。
この試験、復習問題レベルじゃないなと。
実際に40問(当時は全40問でした)通しで見てみましたが、その直感通りでした。
この第3回試験から問題を持ち帰れるようになりましたが、昨年と一昨年はその場で回収していたようです。
そのために、第1回と2回の試験問題を事前に目にしたことはありませんでした。
そのような前提なので、対策として公式テキストの『賃貸不動産管理の知識と実務〈賃貸不動産経営管理士公式テキスト〉』 に頼らざるを得ませんでした。
全部で900ページ超の膨大なこのテキストを網羅できるほどの時間もありませんし、はなからその気はありませんでした。
となると残された選択は、テキストに書かれている復習問題に依存することになりました。
復習問題は各章のおさらいの4択問題になるのですが、全部で70問あり、280個の肢があります。
賃貸借契約等に関する出題が多いので、宅建と被る面がありました。
テキストの解説ページから出されている細い問題が多く、細かい引っかけ問題、日本語表現の言い回し上で困惑させるような構成です。
ネット上で不動産の実務経験がある方や現場で活躍されている方からは、「そんなに難しくはなかった」という声も聞かれましたが、宅建士ペーパーの畑違いの私からすれば、相当苦戦しました。
最後まで絞れずに空白にしておいた問題が5問もあり、一通り最後まで終えて、見直した時になんとか一つを選んで塗りつぶしたものの、達成感は皆無でした。
終えてみて、半分取れたかどうかという感覚です。
事前に参加した講習時に、講師の先生は、難化を予感させるような発言はありませんでした。
「しっかりテキストを勉強しておけばまず受かる試験です」とおっしゃっていましたが、確かにテキストを読み込んでおけば30点以上の結果は出たでしょう。
私はそのやり方を回避したので、当然の結果だったのです。
第2回試験時の全体合格率は76.9%で、講習修了者においては85.1%という高水準です。
これまでは5割強の得点を出せれば合格なので、まさか約8割の合格率の試験で、これほどの難易度とはと痛感しています。
肝心な私自身の自己採点結果ですが、
自己採点は24点±1点でした。
4点免除組なので、36点満点中です。
割問2問によって運命が左右されます。
問28と問35が1か4で分かれていたので、その解答次第で運命を左右されました。
当時は合格発表まで60日間もあり、気が気ではありませんでした。
「だめかもしれない」「いけるはずだ」の繰り返しで、相当メンタルが不安定になっていました。
そんな出口の見えないジェットコースターに乗りながら、運命の合格発表日が訪れました。
平成27年度(2015年度)結果
合格点:40点中25点(講習修了者は36点中21点)
合格率:54.6%
結果は
・・・
正直、結果を見てホッとしたというのが一番です。
昨年度国家試験への移行講習を受講して、国家資格に切り替わったばかりですが、今年度の試験は当時とは比較にならないくらい難化している様子が浮かびます。
私自身、この賃貸不動産経営管理士試験を受けているので、みなさんのお気持ちを想像できるところがあります。
出題形式の難化は緩和された令和6年度賃貸不動産経営管理士試験
2年前の令和4年度の試験は私が受験した当時以上に大波乱だったことがSNSを見れば安易に想像できました。
個数問題が21問もあったという声も入り、いかに試験制作側が難化を図ったのかがうかがえました。
結果は過去最低合格率の27.7%。翌年の令和5年度試験も28.2%と2年連続30%を切る回となりました。
そして、今年度試験は、個数問題や組み合わせ問題は減少したようですね。
X等を見ると、自己採点結果が高い方の声が目に入ってきて、自分と比較して凹んでしまうかもしれませんが、そこで合格点が決まったわけではありません。
どの試験でも、高得点者は必ず存在し、誰でも見れるSNSの世界では、自分の点数に自信がある方が発信されるような傾向があります。
社会福祉士や精神保健福祉士試験もそうですし、私が二年前に受験した公認心理師国家試験終了後もそうでした。
公認心理師試験の合格点は143点以下ですが、自己採点では35%以上も143点を超えていると投票しています。
特に、自己採点集計データでは如実で、高得点者のサンプルが多く、平均点が230点中の150点で、合格発表日の最後まで不安がつきまとった形になりました。
※実際は135点が合格点で、過去最低点でした。
今年の賃貸不動産経営管理士試験は全部で3万人程の受験生がいるので、X等で見られる高得点者は全体の一部であると言えるでしょう。
とにかく、あれだけベストを尽くされたみなさんですので、合格発表日まで諦めずに信じたいですね。
1月7日、新春イイナ合格の日になりますよう、あなた様のもとに届きますように。