前回、本試験ではどれだけ事前勉強を重ねたとしても、分からない問題の一つや二つが必ず待ち構えている構造についてお話しました。
「なんで本番でわからない問題が出てくるの?」
と、?モードになって捕われてしまうと、冷静さを取り戻せば解けたような出題も取りこぼしてしまう畏れがあります。
つまり、解けない問題に遭遇した時の気持ちの持ち方によって、合否が分かれてくると言っても過言ではありません。
そういう本番パニックを回避するための秘策として、
分からない問題は全部「最初から決めていた数字を塗りつぶす」という、運任せの割り切り方で臨む方法もあります。
今日のラッキーナンバーは「4」というように、試験前に決めておくわけです。
そう言うと、
「合否がかかっている真剣勝負でそのような賭けなんて選べるはずがない、とことん向き合って納得した答えを絞り出さないと後悔しそうだ」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。
確かに、本気で勉強を重ねられたからこそ、全力で知恵を振り絞って、後悔の残らない姿勢を貫かれるお気持ちはとても勇敢で私も同感します。
ですが先述したように本番では、過去に出題されないような初見問題や奇問難問が必ず散りばめられていますし、2つまでは絞れたものの、一つに絞りきれないという場面が訪れる可能性が高いので、その不確定要素に意識を傾注してしまうことで、他の得点源(易問)を逃してしまうリスクがあります。
どういうことかと言いますと、試験時間が限られている手前、迷った問題に割いてしまうことで、残りの出題に意識を向ける時間や余裕がなくなってしまうわけです。
全100問以上もの長文が用意されているので、あらかじめパニックを回避するための秘策を決めておくのも得策です。
実際にそのやり方で合格された人も周りにいます。
本試験では、全体の7割を取る必要がなく、多く見積もって30%失点をしても、合格できる可能性がある仕組みになっています。
新カリキュラム第一回試験ではまさに、知ったこっちゃない問題の連続で心を折れそうになった受験生が相当数いらっしゃいましたが、合格基準点は5割程に収まりました。
分からない問題はどうしようもない。
取れればもうけもの。
見たことがない問題の登場前提で、動揺せずに乗り切れる戦略を今から立てておくと、本領発揮しやすくなります。