今回は、社会福祉士、精神保健福祉士国家試験本番で応用できる「消去法」についてコツを扱った記事になります。
一度でもどちらかの試験を経験された方ならば身にしみて分かると思われますが、1問1問にかける時間が少ないです。
だいたい90秒くらいで解かなければならないのです。
分かる問題ならば、90秒以下で次に進めますが、全てがそうスムーズには進めません。
厄介なのが、五肢を精査して行く中で、二つまでは絞れるけれども、一つには確信を持てないという場合が起き得るということです。
正しいものを一つ選べ式だけではなくて、二つ選ばなければならないケースもありますので、いずれにしてもこのようなあいまいケースに遭遇した場合、焦りから平常心を失いそうになります。
そこで問題とにらめっこしながら脳をフル回転して向き合い続けてパッと糸口につながれば良いのですが、そうではない場合、時間だけが過ぎていってしまうので、今回のように消去法で導き出すという選択も一つです。
今回例に出す「消去法」では、他の選択肢同士で比較しなくとも、一つの選択肢内での文脈で絞り出すことが可能です。
例に、第37回社会福祉士国家試験専門科目問110を取ってみたいと思います。
認定社会福祉士に関する問いです。
問題 110 認定社会福祉士に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。
1 地域や外部機関との対応窓口,他職種との連携よりも,所属機関の機能に応じた社会福祉専門職としての高度な支援を行うことが求められる。
2 地域共生社会の実現に向けて求められるより高度な知識や技術等は,認定社会福祉士制度などを通して,継続して学ぶことが望まれる。
3 スーパービジョンの実施にあたっては,スーパーバイザーとスーパーバイジ―の両者が,社会福祉士の倫理綱領及び行動規範を遵守しなければならないと定められている。
4 認定社会福祉士を取得するには,社会福祉士として20年以上の相談援助実務経験があることが要件とされている。
5 社会の変化とニーズの多様化・複雑化に対応するため,10年に一度の更新が求められる。
認定社会福祉士の詳細を知っていれば90秒以内で難なく解けると思いますが、4と5に書かれているような「20年以上」や「10年に一度の更新」等、細かい数字まで覚えていなくて立ち止まった場合です。
その場合は、数字以外の1~3の選択肢を見て判断することが可能です。
1は、「連携よりも高度な支援が求められる」という基本姿勢についてなので、あり得ないと切り捨てられる方が多いのではないでしょうか。
2は、「継続して学ぶことが望まれる」とありますので、これも基本姿勢として考えた時に、マルにできます。
3も、基本姿勢としてマルにできますし、スーパーバイザーとスーパーバイジ―の両者と指定されている点も要です。
認定社会福祉士になじみがない方や細かい数字を把握していなくとも、基本姿勢の観点を理解していれば絞れる出題の一例です。
この専門職としての専門性を問うものではなくて、基本姿勢を重視して答えるという出題は他にも見られました。
問119を例にします。
問題 119 事例を読んで,A社会福祉士が事例検討を行う際に配慮すべきこととして,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕B市高齢福祉課のAは,ある日後輩のC相談員(社会福祉士)から「最近複雑な生活課題を持っているクライエントへの対応に苦慮しているので,事例検討の場を設けてほしい」と依頼を受けた。
1 クライエントも含めて参加者を組織する。
2 参加者は,Cと同じ経験年数の者で構成する。
3 時間にとらわれずに,結論が出るまで検討する。
4 Cが事例報告をする際には,資料を活用せず口頭で行う。
5 Cが他の参加者からのコメントに防衛的にならないようにする。
この出題に関しても、先輩(経験歴が長い)としての専門的な対応ではなくて、自己効力感が低下しつつある可能性が見られる相談員に対して、批判やダメだしを浴びせられて逆効果になってしまわないような配慮、つまり基本姿勢が肝心であるように私は感じました。
このようなケースは、実際の専門職同士の事例検討会でも経験済みです。
私の目の前で、困難事例を提案した側の職員のストレスが限界を超えて、泣き崩れたことがありました。
その時の感情について、冷静になって後にこう例えていました。
「みなさん、私一人ではもうどう対応したら良いのか分からないので、この難しさを知ってください。そしてサポートしてください」とSOSを伝えに歩み寄ろうとしたら、問答無用に槍で突かれたような感覚だったと振り返っていました。
前提として共感的理解を得られずに、「かくあるべき」「ここが足りない」の連続で、自分を否定されたようで自己防衛に必死だったけれども、ついに堪えきれずに抑えていた感情が溢れ出してしまったというくらい追い詰められたようです。
話は試験問題に戻りますが、今回のように、社会福祉士の専門性を問われるのではなくて、専門職として、もっと砕いて社会人としての常識や基本姿勢(重い槍ではなくて、思いやり)を問われるような出題もあり得ます。
判断に迷った場合は、そのような視点で導き出してみてくださいね。
1月18日18時まで、試験追い込みラストスパートの個別相談会実施中。