「地域包括支援センターって、結局どんな毎日を過ごしているの?」 そんな疑問に答えるべく、当ブログの常連さまであり、現場の最前線で活躍されている社会福祉士・U子さんから、詳細な業務レポートを寄贈していただきました。
少し前に私の実体験を公開しましたが、今回はケースワークのより深い内容を知ることができます。
地域ケアの「要」である包括。
その多忙かつやりがいに満ちた舞台裏を覗いてみましょう。
【実録】地域包括支援センターの現場
U子さんの場合
私の所属するセンターは、市から委託を受けた法人によって運営されています。保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーという3職種がチームとなり、65歳以上の高齢者を中心に支援を行っています。
1. チームの構成
現在は計5名の専門職が在籍し、日々協力しながら動いています。
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主任介護支援専門員:1名
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保健師(準ずる看護師):2名
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社会福祉士:2名
2. 多岐にわたる「包括的支援事業」
私たちの仕事は、単なる相談窓口に留まりません。試験勉強で覚えた用語が、以下のように具体的な「生業」として展開されています。
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介護予防ケアマネジメント 予防給付の対象者に対し、アセスメントからプラン作成、サービス調整、モニタリング訪問まで行います。利用者様からは親しみを込めて「ケアマネさん」と呼ばれることも多いですね。
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総合相談・権利擁護業務 すべての支援は相談から始まります。成年後見制度の活用や高齢者虐待への対応、消費者被害の防止など、法的な視点も欠かせません。
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包括的・継続的ケアマネジメント 地域のケアマネさんの後方支援や、困難事例への同行など、専門職を支えるプロとしての役割です。
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生活支援体制整備(生活支援コーディネーター) 地域に「集いの場」を創出したり、住民と一緒に見守り体制を考えたりと、街づくりそのものに関わります。
3. 教科書の中の「アウトリーチ」が現実に
学生時代、「アウトリーチ(訪問支援)ってどうやって報酬に繋げるんだろう?」と不思議に思っていました。その答えは、包括の中にありました。
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待つのではなく、地域へ飛び出す 高齢者クラブの同好会を訪ねて「困りごとはありませんか?」と声をかけたり、地区踏査(エリア歩き)をして実態を把握したりします。
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「異変」のサインを見逃さない 「お隣の独居の方が、日中ずっと一人で心配だ」というご近所さんからの情報を受け、ご家族へコンタクトを取る。これも大切なアウトリーチです。
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実態把握の訪問 一人暮らしの方や高齢者のみ世帯を訪問し、食生活のアセスメントを兼ねて困りごとを伺います。
4. 仕事の「要」と「難しさ」
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キーワードは「連携」 市役所、医療機関、民生委員、自治区、ボランティア……。法人内外のあらゆる資源と「顔の見える関係」を作ることが、支援の質を左右します。
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多問題家族への対応 経済的困窮(生活保護)、精神疾患を含む障害、外国籍の方への支援など、介護保険の枠だけでは収まらない「多問題家族」も増えています。
専門職として歩み続けるために
U子さんはこう仰います。 「バーンアウト(燃え尽き)しないよう、自分自身が心身ともに健康でいることが何より大切です」
地域の行事に参加したり、自主的に教育機関へ「認知症サポーター養成講座」を提案したりと、自発的に動くことで、地域との繋がりはより強固になります。
地域包括支援センターの仕事とは?
ひとことで言えば、「大変!でも、とてつもなくやりがいのある仕事」です。
「大変だ、問題だ」で終わらせず、地域の人たちと一緒に課題に向き合い、解決への「集いの場」を作っていく。それがこの仕事の醍醐味です。
新卒の若い方や人見知りをしない方、新しいことにチャレンジしたい意欲の高い方にとって、包括は最高のフィールドになるはずです。