今年度から、公認心理師をメインの軸に据えた新しい現場で、日々支援にあたっています。
前職では、キャリアコンサルタント、社会福祉士、精神保健福祉士、そして公認心理師という4つの資格を、目の前の状況に合わせて使い分けたり、パズルのように組み合わせたりしながら働いてきました。
そこから一転し、心理職という単一の看板を背負って立つ今の環境は、私にとって大きな挑戦の連続です。
立場の関係上、具体的な業務内容や現場の詳細をここでお話しすることはできません。
しかし、実際に心理職の最前線に立ってみて、想像していたのとは少し違う、ある「リアルな気付き」がありました。
今、先の見えない受験勉強や資格取得への道のりで心が折れそうになっている方へ向けて、現場の泥臭い本音をお届けします。
心理職の現場を支えているのは「福祉職としての泥臭い経験」だった。
公認心理師として現場に立つからには、高度な心理学の知識や心理療法のテクニックが最も問われるのだろう。最初はそう身構えていました。
特に私の場合は、心理学部+大学院修了の心理ルートではなく取得していますので、より先入観を抱いていたところがあります。
もちろんそれらも重要ですが、実際に現場で私が最も頼りにし、応用できていると感じるのは、過去の「福祉職としての経験」です。
目の前の方が抱える困難は、心の中だけで完結していることはほぼありません。
生活環境、経済状況、家族関係、そして社会的な背景。
それらが複雑に絡み合った糸を解きほぐすとき、社会福祉士や精神保健福祉士として現場を駆け回り、多様な制度や人々と連携してきた経験が、アドバンテージとして生きています。
知識よりも問われる「アセスメント・予測・見立て」の力
実際の現場で最も頭を悩ませ、そして最も重要だと実感しているのが以下の3つの力です。
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アセスメント: 目の前で起きている事象の背景に何があるのか、全体像を多角的に捉える力。
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予測: このまま介入しなかった場合、あるいは特定の支援を行った場合、どのような変化やリスクが起こり得るのかを想像する力。
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見立て: それらの情報をもとに、どこから手をつけるべきか、支援の方向性の仮説を立てる力。
これらは、教科書を暗記すれば身につくものではありません。
心理学の枠を超えて、「人」と「環境」の双方からアプローチしてきた福祉の視点があるからこそ、より立体的で現実的な「見立て」ができるのだと、日々の業務の中で実感しています。
正解のない世界で悩み抜く。それでも「取ってよかった」と思える理由
私が今向き合っているのは、「Aというアプローチをすれば、必ずBという結果が出る」といった、教科書通りの正解が一つもない世界です。
自分の立てた見立ては本当に正しかったのか。
あの一言で相手を傷つけてしまわなかったか。
別の関わり方があったのではないか。
毎日、頭を抱え、葛藤し、暗中模索しながら帰路についています。
資格を取ればすべてがクリアに見える魔法使いになれるわけではなく、むしろ資格を取ったからこそ、より深く重い責任の中で悩み続けることになります。
決して楽な道ではありませんでした。
結果(実績や変化)を求められているようなプレッシャーが常に隣り合わせで、押しつぶされそうな日もあります。
それでも、私はふとした瞬間に、心からこう思うのです。
「あの日、歯を食いしばってあの資格を取っておいて、本当によかった」と。
結びに:今の苦しさは、未来のあなたを支える最強の武器になる
資格取得を目指して勉強している最中は、「この知識が本当に現場で役に立つのか?」「ただの暗記作業に意味があるのか?」と虚しさを覚えることもあるでしょう。
かつての私もそうでした。
しかし、その膨大な知識と格闘した経験、そして複数の資格を通じて得た「多角的な視点」は、決してあなた様を裏切りません。
今はバラバラの点にしか見えない知識も、いつか現場の最前線に立ったとき、目の前の人を理解し、予測し、見立てるための強力な「線」となって必ず助けてくれます。
資格は、正解のない現場で「それでも支援者として立ち続けるため」の揺るぎない足場(自分軸)になります。
今、あなた様が感じているプレッシャーや苦労は、未来の現場で誰かの人生に伴走するための大切な準備期間です。
今挑んでいる道は、間違いなく価値のある道です。
私も新しいことの連続で日々奮闘していますが、同じ正解のない世界で共に悩み、共に支援の最前線に立てる日を楽しみにしています。