50代、60代から対人援助職を目指すという選択。
今年度になって何回もトピックにしていますが、それくらい決して珍しい話ではなく、むしろ今の社会で非常に求められているリアルなキャリアパスです。
私自身、現在の職場でともに働いている職員のパートナー(60代)が「これから資格を取って対人援助の仕事をさらに深めていきたい、どんな資格が良いか探している」という話を直接耳にしました。
現場の最前線にいると、この年代の方々に対するニーズがいかに高いかを肌で感じます。
「今から目指すなんて遅すぎるのではないか」と躊躇されている方へ向けて、なぜ50代・60代でも決して遅くないのかという現実と、代表的な資格取得にかかるリアルな期間についてまとめました。
1. なぜ50代・60代の対人援助職に「強いニーズ」があるのか
対人援助の現場(福祉、心理、キャリア支援など)において、何よりも強力な武器になるのは「その人自身の人生経験」です。
クライエントは、複雑な人間関係、家族の介護、子育ての悩み、あるいは仕事での大きな挫折など、多様な苦しみを抱えて相談にやってきます。
その際、酸いも甘いも噛み分けてきた50代・60代の支援者が醸し出す「包容力」や「どっしりとした佇まい」は、それだけでクライエントに深い安心感を与えます。
知識や技術は後からいくらでも勉強して身につけることができますが、何十年という歳月をかけて培われた「人生の年輪」だけは、若い世代がどれだけ背伸びをしても敵わない、最強のアドバンテージなのです。
だからこそ、セカンドキャリアとしてこの分野に飛び込んでくるシニア世代へのニーズは絶えることがありません。
ただし、現実的な条件面では65歳までを上限とする場所も多いため、これから目指す方にとっては、取得できたとしても応募できなくなってしまう可能性は考えられます。
そのため、実際にどのくらいの日数とルートを辿るのかについてまとめてみました。
2. 資格取得までのリアルな道のり(期間と条件)
では、実際に資格を取って現場に立つまでにどれくらいの日数がかかるのか。代表的な3つの国家資格を例に挙げます。
① 社会福祉士
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取得にかかる期間:最低2年〜
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特徴と道のり: 福祉系大学を卒業していなくても、一般の大学を卒業していれば、一般養成施設(通信制など)に1年以上(2年が多い)通うことで受験資格が得られます。
高卒や専門卒等の場合は、実務経験と短期・一般養成施設を組み合わせて「最低2年〜数年」の期間を要します。 実務経験が免除とならない場合、長期間の実習なども含まれるため根気が必要ですが、福祉の全体像を網羅できるため、就職先の選択肢(独立型も含め)が広がる資格です。
② 公認心理師
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取得にかかる期間:最低6年(大学4年+大学院2年)
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特徴と道のり: 心理職における国内初の国家資格です。経過措置期間が終了した現在、基本的には「大学の心理学部等で指定科目を修めて卒業」し、さらに「大学院で指定科目を修了する」という正規ルートを辿る必要があります。
期間も学費も非常に大きな覚悟が必要な「6年越しの長丁場」になりますが、心理アセスメントや心理療法のプロフェッショナルとして、医療・教育・福祉などあらゆる領域で深く専門性を発揮できる心理系唯一の国家資格です。
③ 国家資格キャリアコンサルタント
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取得にかかる期間:1年未満(数ヶ月〜半年程度)
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特徴と道のり: 社会人から最もチャレンジしやすい国家資格の一つです。厚生労働大臣が認定する「養成講座(スクール)」を受講することで受験資格が得られ、期間も数ヶ月〜半年程度と、1年未満で一気に合格まで辿り着くことが可能です。
最大のメリットは「教育訓練給付金制度」が使える点です。
一定の雇用保険加入条件などを満たせば、専門実践教育訓練給付金として、受講費用の最大80%(上限あり)がハローワークから支給されます。
条件付きで経済的な負担を大幅に抑えられます。
キャリアについては小学生から退職後まであらゆる世代に関係がありますし、この資格は実技試験を通してカウンセリング技法の基礎を実践できますので、キャリア支援の現場(ハローワーク、企業内相談、就労支援など)で活かせる実用性の高さが魅力です。
④精神保健福祉士
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取得にかかる期間:最短1年〜1年7ヶ月程度
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特徴と道のり: 心に病を抱える方の社会復帰や生活支援を行う専門職です。一般の4年制大学を卒業していれば、専門学校などの「一般養成施設」に通うことで受験資格を得られます。
昼間や夜間の通学なら最短1年間、働きながら通信課程で学ぶ場合でも最短1年6ヶ月〜1年7ヶ月で修了できるため、社会福祉士よりもスピーディに取得が可能です。
1. 一般の4大卒から「1年」で取るなら【通学課程】
福祉系以外の一般的な4年制大学を卒業されている方が、精神保健福祉士の現場実習(210時間:約28日間)を含めてきっちり1年で卒業するには、「通学課程(昼間部・夜間部)の一般養成施設」を選ぶ必要があります。
1年間のカリキュラムの中に実習期間がしっかり組み込まれているため、4月に入学して翌年3月に卒業し、そのまま国家試験に臨むという正真正銘の最短ルートになります。
2. 働きながら【通信課程】を選ぶ場合は注意(1年以上かかる)
もし「今の仕事をフルタイムで続けながら通信制で取りたい」とお考えの場合、実習込みだと「社会福祉士課程同様で1年6ヶ月〜1年7ヶ月」かかる学校がスタンダードになります。
通信制の場合、自宅でのレポート学習やスクーリング(面接授業)と並行して、長期の実習スケジュールを組む必要があるため、カリキュラムの構造上どうしても1年では収まりきらない形になっています。
3. 【例外】すでに社会福祉士を持っている等の場合は最短半年〜9ヶ月!
もしその方が、すでに社会福祉士の資格を持っていたり、過去に福祉系大学等で決められた「基礎科目」を履修済みである場合は、「短期養成施設」という特急ルートに乗ることができます。
この場合、実習込みであっても通学なら「6ヶ月」、通信制でも「9ヶ月」で卒業・受験資格の取得が可能です(絶対合格ブログ読者では一番多いルート)。
結びに:人生の時計の針を止める必要はない
「人を支援したい」という純粋な思いに、年齢制限はありません。
私がこれまで関わった仕事の同僚でも、このような方がいらっしゃいます。
・50代公務員退職後に大学院に入って公認心理師を取得。それから数年後、スクールカウンセラーとして現場で活躍されている男性。
・福祉の世界とは無縁の保険営業職で定年退職後、ボランティアで福祉業界に携わる。そこから深みにハマり、セカンドキャリアとして社会福祉士を取得、スクールソーシャルワーカーとして新しい一歩を踏み出された60代の男性。
・40代後半で独学保育士試験に合格後、50代で6年かけて通信制大学を卒業、60代になって社会福祉士養成学校を卒業して社会福祉士を取得した女性。
みなさん、人生のどこかで転機を迎えられて、新しい資格取得道に進まれました。
社会福祉士としてじっくり2年かけて福祉の土台を築く道も、
公認心理師として6年の歳月をかけ、人間の心と深く向き合う学問を極める道も、
キャリアコンサルタントとして、給付金を賢く活用しながら1年未満でスピーディに資格を勝ち取り、同世代のセカンドキャリアや若者を支援する側に回る道も、対人援助職の道は複数存在します。
今の年齢から新しいことを始めるのは、確かにエネルギーが要ります。
しかし、その「遅咲きの挑戦」の背中そのものが、将来あなた様が出会うクライエントに「人生はいつからでもやり直せる」という最大の勇気を与えるはずです。
これまでの人生経験を総動員して、次の一歩を踏み出してみませんか。