前回、どれだけ事前に勉強を重ねたとしても、本試験の会場には「見たこともない未知の問題」が必ず一つや二つ待ち構えている構造についてお話ししました。
「なんで本番に限って、こんな訳の分からない問題が出るの?」
一度この「?」モードに囚われてしまうと焦りが増幅し、冷静さを取り戻していれば確実に取れたはずの基本問題までポロポロと取りこぼしてしまう恐れがあります。
つまり、「解けない問題・奇問に遭遇した時のマインドセット」によって、合否が大きく分かれると言っても過言ではありません。
こうした本番特有のパニックを回避し、貴重な試験時間を有効活用できる秘策があります。
それは、分からない問題は潔く「最初から決めていた数字を塗りつぶす」という、戦略的な割り切り(運任せ)で臨む方法です。
たとえば、「今日の自分のラッキーナンバーは『4』だから、全く手も足も出ない問題は全部4をマークして次に進む」と、試験前にルールを決めておくわけです。
こうお伝えすると、次のような反発を感じる方もいらっしゃるでしょう。
「自分の人生と合否がかかっている真剣勝負で、サイコロを振るような真似はできない!」
「とことん問題と向き合って、1%でも可能性のある答えを絞り出さないと後悔しそうだ」
確かに、本気で血の滲むような勉強を重ねてこられたからこそ、1問1問に全力で知恵を振り絞り、後悔のない姿勢を貫きたいというお気持ちは痛いほど分かりますし、その勇敢さには私も深く共感します。
ですが、先述したように本番では、過去問の知識が全く通用しない初見の難問が必ず散りばめられています。
さらに最新の試験傾向として、「2つ選べ」といった判断に迷う問題の増加や、事例問題の長文化が著しく進んでいます。
2つまでは絞れたものの、「最後の一つがどうしても絞りきれない……」と長考する場面が必ず訪れます。
その不確定要素に貴重な時間を注ぎ込んでしまうとどうなるか。
後半に待っている「確実に得点できるはずの易しい問題」を読み解く時間や、精神的な余裕を完全に失ってしまうという致命的なリスクを負うのです。
全129問という膨大な文章量を制限時間内で処理しなければならない以上、「あらかじめパニックを回避し、時間を守るためのマイルール」を決めておくことは、立派な戦術です。
実際にこの「戦略的撤退」のルールを守り抜き、見事合格を勝ち取った方々は絶対合格ブログ合格者さまの中にもたくさんいらっしゃいます。
忘れないでください。
この国家試験は、満点を取る必要はありません。
全体の6割、つまり裏を返せば「4割(約60問)は間違えても合格できる」仕組みになっています。
新カリキュラムに移行したばかりの試験では、まさに「知ったこっちゃない問題」の連続で心を折られそうになった受験生が続出しましたが、ふたを開けてみれば、相対評価によって合格基準点が約5割程度まで下がったという事実もあります。
分からない問題はどうしようもない。 取れればもうけもの。
「見たことがない問題は必ず登場する」という前提に立ち、そこで立ち止まらずに動揺せず乗り切れる戦略を今のうちから立てておくと、本番で本来のあなたの実力を120%発揮しやすくなりますよ。