社会福祉士や精神保健福祉士の国家試験勉強において、どの時代も最も強いのは「当たり前のことを、当たり前のように持続してこなせる人」です。
実際、合格基準点が129点中50点(正答率38.8%)という異例の低さとなり、「史上最高難易度」とも言われた昨年度(第38回)の社会福祉士試験においても、
しかし、無事に資格を取得し、現場で働き始めると、ある痛切な現実に直面することがあります。
それは、どれだけ立派な資格を持ち、豊富な実務経験を積んだ人間であっても、「報連相(報告・連絡・相談)」といった社会人としての当たり前ができない人がいる、という現実です。
優先順位がはっきりしており、「この人間に対してのこの件は後回しにしても良い」と認識しているのかもしれませんが、された側からすれば尾を引きますし、ぞんざいに扱われたようで信頼関係にヒビが入ることも珍しくはありません。
さらには、自身の経験や立場を笠に着てマウントを取ってくるような言動に遭遇し、非常に後味が悪い思いをすることも少なくありません。
特に厄介なのは、それが経営者や指導者といった「経験+権威のある人間」である場合です。
彼らは長年培ってきた経験があるがゆえに、確固たるスタンスで自身のやり方を強調してきます。
福祉の世界でよく言われる「パターナリズム(父権主義・温情主義)」という言葉が表すように、「相手のためを思って」という指導者の姿勢が、いつの間にか「自分の価値観の押し付け」や「相手の意見の否定」にすり替わってしまうリスクが常に潜んでいることを忘れてはなりません。
対人援助職において、このリスクに対する意識が欠如していると、自分の善意(やり方)と相手の受け止め方(ニーズ)との間に大きなズレが生じ、結果として相手を深く傷つけてしまいます。
そして残酷なことに、押し付けられた側は、波風を立てまいと何も言わずに静かに去っていくか、深い傷を抱えたまま長期間引きずってしまうことがほとんどです。
だからこそ、資格取得後も自戒を忘れてはならないと、自分自身の備忘録としても発信しました。
試験勉強で培った「当たり前を持続する謙虚な姿勢」は、単に合格するためのテクニックではなく、現場で相手に真摯に寄り添い、パターナリズムに陥らないための欠かせない土台になるのだと、私は戒めています。