相談しがいのある人になる 1時間で相手を勇気づける方法 (こころライブラリー) 下園壮太著
「相手のためを思って、真心で接すれば必ず相手に通じる。最後にはわかってくれる。相手に感謝されるはずだ」というのは、理想論であり、甘い思い込みだと言わざるを得ません。そういう思い込みにとらわれている限り、決して「相談しがいのある人」にはなれないのです。(第1章より)
冒頭から衝撃を受けるメッセージが飛び込んできました。
そう、私自身が20代前半にこのような理想論を抱えながら相談援助活動に取り組んでいたからです。
本書では、相談対応だけではなくて、親子間、友人間、会社の人間関係などにも共通している良好なコミュニケーションの取り方を、心理カウンセラーの下園氏が具体的かつ明快に説明しています。
これまで3000名以上の方の相談に乗ってきましたが、本書を読んでいて、悪い相談対応癖が身についていることを認識させられました。
筆者は最後に、「こうしてまとめてみると、当たり前のこと言っているだけのような気もする」と述べていますが、その当たり前のことこそ、実践するのは容易ではないことをここでも突きつけられました。
相談援助の原則を見つめ直したい方にはオススメの一冊です。