1999年、スタンフォード大学のクランボルツ教授らは、富と名声を手にいれ、人生において大成功を収めた成功者たち数百人を対象に、成功の秘訣を徹底的に分析しました。
その研究の成果として、成功の法則を導いた理論を『プランド・ハップンスタンス(planned happenstance)理論』と呼びます。
日本語に訳すと『計画された偶然』『意図された偶然』となります。
この理論のポイントを3つにまとめると、以下のようになります。
1.人生の成功は、予期しない偶然によってその8割が形成される。
2.ただ偶然を待つのではなく、自分にとって良い偶然が起きやすくなるように行動したり、
偶然が起きそうな気配を敏感にキャッチすることでラッキーチャンスを増やすことができる。
3.偶然を当事者が積極的に活用し努力して、成功へ繋げる。
偶然を運命に変える人と、偶然がただの偶然で終わる人の違いは、その人の資質にあるとクランボルツ教授は言っています。
好奇心:なんでもとりあえず興味を持ってやってみる。
持続性:ちょっとくらい失敗してもめげずにチャレンジを続ける。
楽観性:何事も「必ずうまくいく」「できるはず」とポジティブに考える。
柔軟性:自分の考えに凝り固まらずに、その時その場で対応を変える。
危険性:多少のリスクは承知でやってみる。
ご覧いただければ分かるように、成功者の背景には、「失敗を恐れずに挑戦し続けるスタイル」が浮かび上がってくるわけです。
偶然は必然とも言い換えられますが、チャンスを掴むも逃がすも、その人の生き方や考え方次第ということが伝わります。
この変化の激しいスピード社会においては、あらかじめ計画した人生プランに固執することは非現実的であり、自分が何をしたいかの意思決定にこだわり、一つの生き方に拘に続けることは、それ以外の可能性を捨ててしまうことに繋がることになるとクランボルツ教授は指摘しています。
こと受験に准えても、当てはまるところが大いにあるのではないでしょうか。
一つ一つの努力や積み重ねが意図された偶然=合格という形の成功に繋がっていくのでしょうね。
参照:その幸運は偶然ではないんです! J.D.クランボルツ著