一回や二回で覚えられるはずがない
一回や二回で覚えられるはずがない。
今回の記事のキーワードです。
受験勉強をしていて、その時その瞬間は分かったつもりでも、数時間後や翌日に問題を解いてみると、嘘のように頭から抜けてしまって、自己嫌悪に陥る瞬間はありませんか?
実際に私は何度もありました。
いちいち回数で覚えてはいませんが、これまで100回以上はそういうジレンマに駆られたのではないでしょうか。
20代後半になってくると、自分の記憶力の低下を憂いたこともありました。
なんで昨日まで覚えていたのに、すっかり忘れているんだ。
あれだけ紙に何度も書いて覚えたはずなのに、無意味だったじゃないか。
勉強は自分との闘いとは言いますが、「覚える」「忘れた」の葛藤こそ、自己学習の中で最も辛く険しいバトルだと思います。
幾多の自問自答の末に、
一回や二回で完全に覚えられるわけない。
私はそう割り切るようになってから、大分学習が楽になりました。
一回で暗記して早く次に進みたい。
はやる気持ちは分かります。
私自身、短期間での合格を目指していたからこそ、一問一問に立ち止まっている余裕はなかったからです。
ですが、新しい知識を確かなものにするために、たった数回で定着出来るというのは、相当記憶力に優れている人間でしょう。
己の理解度から目を逸らして本末転倒です。
振り返る作業って怖いんです。
だって、十中八九解けない問題が待っているから。
あれだけ時間を費やして必死に覚えたはずなのに、忘れていた事実の衝撃を受け止める自信がないと思ってしまうんです。
案の定勇気を出して解いてみても、忘れている問題があるんです。
1科目終わってみたらまた1問目に戻って確認してみると、10問中2問くらいしか覚えていないこともありました。
なんて頭が悪いんだ!もう時間がないのに!
いよいよ発狂しそうになる衝動に駆られたこともあります。
なんとか耐え忍んで最初から最後まで1科目解いてみて、恐る恐るまた振り出しに戻って解いてみるという地道な作業を繰り返していると、劇的な変化が待っていました。
10問中5~6問以上は解けるようになっているのです。
ここまでくればもう1科目はマスターできる段階に近づいていると言っても過言ではありません。
3回目以降には7割は解けるようになっていました。
中には、人物名や病名など何度繰り返しても覚えられないこともあるでしょう。
私ももちろんありました。
そういう苦手分野は8回以上同じ問題を反復してようやく点と点がつながったこともあります。
現代社会と福祉のような歴史問題は、私も大の苦手で、3回転しても全体の半分くらいしか把握できていない科目もありました。
そういう場合は、割り切るのも一つの手です。
私の場合は1点さえ死守して、点が取りやすい専門科目の相談援助分野で得点を稼ぐという作戦を立てていました。
復習は出来れば出来るほど地盤を固められます。
仮に10問中10問解けるようになっても、完璧というものは存在しないはずです。
その領域で復習したとしても、必ず新しい気付きや発見があるはずです。
たとえば、「あ、この問題は前にも類似問題があったぞ」「この人物はあの時も出てきた」「この答えはこういう意味だったのか」という気付きが別の問題から気付かされることもあるのです。
社会福祉士試験の場合は、別の科目同士でも密接なかかわりがあって、類似問題や同じ登場人物がリンクすることがあるので、そう気付けるのも反復学習の強みです。
試験直前に学習初期に覚えた科目をおさらいすると、案外忘れている問題もあるものなので、復習は最後の最後まで気を抜かないようにオススメします。