先日「社会福祉士は使えない資格なのか、理想と現実のギャップに苦んだら」の中で、最新の児童福祉分野の精神・社会福祉士の役割をご紹介いたしましたが、ブログ読者様の中で、ご自身の経験から医療ソーシャルワーカーの業務実態を寄贈してくださる方がいらっしゃいました。
書籍やインターネットの情報ではなかなかお目にできないリアルな実情が伝わります。
みなさまの今後の進路にお役に立てれば幸いです。
医療ソーシャルワーカー
中部地方A子さんの場合
入院患者様はリハビリテーション病棟があることもあり、大腿骨 頸部 骨折、大腿骨人工関節置換術後、脳血管疾患の患者様が多数いらっしゃり、ご高齢の方が多いです。
男女比は男性4:女性6の割合で、整形外科の方は女性の患者様が多く、脳血管疾患の患者様は男性が多い特徴があります。
毎日の日課として。。
毎朝8時過ぎから始まる病棟の申し送りに参加します。
申し送り参加者は、院長、看護師長、看護部長、外来看護師、各病棟看護師、リハビリスタッフ、薬剤師、管理栄養士、医療相談員などです。
看護 師 からの申し送りとともに、時に院長からは画像を見ながら病状説明、リハビリスタッフからもリハビリの様子を画像を交えて説明があります。
医療相談員からは、前日の入院者については情報提供、相談中の案件があるときはその進捗状況の報告などをします。
申し送りとはいえカンファレンスのように行われていました。
続いて、院長回診に同行します。
回診は病棟看護師と外来看護師を除いたメンバーです。
回診の後、 各職種 それぞれが院長から指示を頂きます。
ワーカーは入退院調整や、診断書、病棟移動などに関しての指示を頂きます。
指示を頂き相談室へ戻ると9時半過ぎです。
ここからが相談業務の始まり?といったところでしょうか??
申し送り中も院内PHSに電話が入っていることが多いので、相談室へ戻ると折り返しの電話をします。
短時間ですが、別の相談員との申し送りも行います。
私が担当する主な業務は、入院に関する前方支援、退院調整に関する後方支援、各種相談業務、病棟移動と入院患者数管理、渉外です 。
前方支援は紹介くださる病院からの情報→初回入院判定→入院前面談→入院判定→入院日調整→入院対応可能な病状かどうか、退院に向けてどのような 治療や 支援ができるのか、在宅希望か在宅希望であっても本当に受け入れ可能なのか?などで受け入れの可否 に影響します。
入院前面談では 、現在のADL、入院中や退院に向けての家族の協力が大切ですので、家族の人的環境も確認します。時に直接患者様の様子を見るため ご紹介くださる病院へ出向くこともあります。
入院 可能な期間も一般病棟で1~2か月(3か月限度)、リハビリ病棟では整形1~2か月(90日限度)、脳外科では3~4か月(150日限度)の案内を確実にします。
ですから、入院してから早い段階で(家族としてはすぐにと感じると思います)退院後の話をする旨もお伝えしておきます。
信頼関係を作るためにもこのお話 は必要だと思います。
入院当日は診察に立ち会います。医師からのムンテラ (IC=インフォームドコンセント)をカルテの記事に残します。
その後必要に応じて 介護保険申請や身体障害手帳の申請時期など 各種手続きの説明など家族と面談。
入院した方の 病状が重い 場合、DNRかどうか(急変時に延命希望をするかどうか)の確認もします。
これは非常に辛い質問です。質問するこちらも辛くなります。お返事はすぐで無くても良いのでとご家族皆様でよくご相談いただいてから、後日返答を頂きます。
退院調整に関しては、入院可能な日数が決まっていますので、絶対に超えないように退院支援します。
自宅へ退院できる場合・・・介護保険の準備やケアマネージャー選定のお手伝い、サービス準備。
ケアマネージャーやサービス事業者、家族、病棟看護師、リハビリスタッフと日程調整をし、退院前カンファレンスを行います。
看護サマリ、リハビリサマリなど必要な書類も準備し、退院に向け準備します。
転院、施設入所退院の場合・・・リハビリテーション病棟は在宅復帰率により加算を算定していますので、在宅復帰率も注意しながらの支援になります。
退院先が医療機関、介護老人保健施設だと在宅扱いになりません。
それ以外の有料老人ホーム、ケアハウス、特別養護老人ホーム等は在宅扱いになります。
実際には特別養護老人ホームは待機が長いので直接の入所は難しいですが、それまで特養を持つ法人の施設(ケアマネ、デイ、ショート)の利用者だと便宜を図って下さりロングショートから入所へ向けての入所という道がありました。
費用をどのくらい出せるのかもポイントになります。
年金額の確認や家族からの援助ができるかどうか、随分立ち入った質問もしなければなりません。 デリケートな部分ですので、これには神経を使います。
続く