★そしてようやく訪れたターニングポイント
飲食が出来ないほどの極貧生活でしたが、彼はオーディションを受けながら、脚本を売り込み続けました。
もちろん誰も見向きもしてくれませんでした。
絶望しそうになったある日、いつも通りにオーディションに落ち、部屋を出て行こうとしたところで、脚本のことをプロデューサーたちに何気なく語りました。
その脚本を見たプロデューサーが彼の人生を大きく転換させることになります。
その脚本を読み、大絶賛し、$25,000のオファーを出します。
その映画会社はその脚本を買い取り、当時の大スター、ロバート・レッドフォードを主役にして大作を作るのがねらいでした。
しかし、彼はここに来てあの言葉を口にします。
NO!
彼はそれだけの大金を提示されてもOKサインを出さなかったのです。
最終的には、$360,000もの好条件を提示されましたが、彼は変わらずNOを突きつけます。
実は彼にとってこれほどの巨額は耳にしたことがなくて、その価値が分からなかったと後に語っていますが、彼がこだわり続けたのはお金ではなくて、自分が主演男優として映画に出場することだったのです。
そしてその後、契約金額はガクッと下がりましたが小さな映画会社に主演俳優として出演する事になるのです。
映画会社もついに折れて彼が主演での制作を決定しましたが、制作費はかなり低予算でした。
脚本は$35,000で買い取られることになりました。
最初は数ヶ所の上映でしたがその面白さが口コミで拡がり大ブームを起こします。
そしてこれがあの名作「ロッキー」の誕生です。
主演男優賞、脚本賞、最優秀作品賞を総なめにして、一躍大スターへ駆け上ることになりました。
ちなみに、映画会社との契約によって大金を手にした彼が真っ先に使ったお金の使い道は何だったと想像しますか?
それは、苦境をともにした相棒であるあの愛犬を取り戻すことでした。
3日間かけて探し続けた末に、やっと見つけることができ、飼い主に事情を説明しました。
当時50ドルで売った愛犬を150ドルで買い戻したいと。
しかし、飼い主は断ります。
けれども彼は食い下がりません。
数週間、飼い主と交渉した結果、最終的には3000ドルで買い戻しました。
売り手の飼い主を「ロッキー」に出演させるという条件を加えて。
以上、シルヴェスター・スターローンがロッキーで栄光をつかむまでの紆余曲折な半生を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
彼のぶれない信念と、目標を達成させるために第三者にあしらわれようとも、試行錯誤を重ねながら挑戦し続ける行動力は目を見張るものがありました。
自分にはこの道しかないという覚悟と、なんとしても成し遂げたいという情熱が融合して継続した末に、誰もが予想出来ないような展開が待っているものですね。
自分の目標や夢について再認識させられる半生でした。