合格発表後から気持ちの整理がつかずに、やり場のない思いを抱えておられる方に向けて、0.1%でも心が安らげばという思いから私の体験談記事を用意しました。
ちょうど桜が咲く前のこの時期に、私が大学4年生の最後の春に受検した漢字能力検定準1級試験の結果通知(現物)です。
「合格まであと1点」
この無慈悲な現実を目の当たりにした時に、私はあまりにものショックでその場に崩れ落ちました。
自宅のPCの前で、インターネット合否判定でその結果を知ったわけですが、それから2週間後くらいまでの記憶はほとんど残っていません。
よほどショックが大きくて、その反動から記憶からその期間が抹消されてしまったのかもしれません。
ただ唯一覚えているのは、不合格を受けたその1時間後に、胸部に激しい痛みが生じて、自分では動けないくらいの異変に我慢できず、家族の力を借りて救急外来に運ばれていったことです。
レントゲンを撮った後の診断結果は異常なしでしたが、極度の心的ストレスが要因だと言われ、精神安定剤を処方されました。
私はその薬名と、医師の処置を受けて、ますますふがいなさと絶望感が広がりました。
当時私は、漢検準1級にすべてをかけていました。
それまでの半生を振り返っても、誰かに誇れるような実績は何一つありませんでした。
私は何よりも、「これだけは頑張った」という証を大学生活中に刻みたかったという強い念が芽生えていたのです。
漢検に受かったところで、就職先が保証されるわけでもなければ、女性にモテるようになるわけでもありません。
傍から見れば、単なる自己満足の世界と評されてもおかしくはなかったと思います。
それでも、私にとってはこの挑戦を続けられたことが肝心でした。
ずっと大変なことから逃げて来た自分を鍛え直すことが出来た漢検。
なんとしても結果を残したかった一心でした。
しかし、現実は非情です。
力足りずに、あと1点足らずで不合格に散ったのです。
後に残るのは後悔の二文字。
もしもあと1問正解していれば。
もしもあの時、消しゴムであの答えを消していなければ。
どうすることもできませんが、やるせなくて仕方がありませんでした。
次第に、自分を見失って行き、不合格の烙印を前にして、
やっぱり大学入試偏差値40の勉強嫌いで苦手の自分にはレベルが高すぎたのかもしれない。
という、虚脱感、自己卑下の念に何度も苛まれました。
何度も何度も自問自答を続けた私ですが、やはり時間薬という言葉があるように、次第に気持ちが落ち着いて新しい気持ちが芽生えてきました。
まだ挑戦は終わりを迎えていない。
生きている限り、また次に挑戦できる。
続けたい、諦めたくない、ウカりたい!!
心の底から湧き上がる感情に蓋を閉じることなど出来ませんでした。
不合格から1週間が経ち、私は再起動を誓いました。
堕ちるところまで堕ちたら、後は這い上がるだけで、ここまでやってきたのだから、合格するまでは諦められないと切り替えられるようになったのかもしれません。
200点中の159点、限りなく合格に近いラインにまで到達していることを認められたのです。
0からのスタートよりもアドバンテージがあるわけです。
後は+αの知識を付け加えるだけ。
「ここで諦めたらもったいない」という世間の声もありましたが、私の中ではここで諦めるという選択肢はあり得ませんでした。
葛藤の末、それまで沈んでいた自分が嘘かのように、「こうなったら、圧倒的勉強量で9割合格してやろう!!」という半端ない気合がみなぎってきました。
すぐさま過去4年分の問題集を追加購入して、次こそは絶対合格をスローガンに本番を迎えました。
そして、その次の試験で、念願のリベンジ合格を果たせました。
精神・社会福祉士試験合格発表日から4日が経ちましたが、不合格のショックから立ち直れない、気持ちを切り替えられないという方は少なくはないと察します。
99点の現実は、今でも私の胸に重くのしかかっています。
あと1点、2点という合格目前で悔し涙をのまれた方を想像すると、決して他人事ではありません。
30649人もの方々が悔しい思いをされている現実を想像すると、胸の奥が詰まる思いで適切な言葉が浮かんで来なくなってしまうのが本音でした。
自己満足の世界で受けた私の漢検準1級試験とは異なって、将来のために全力を尽くされて臨まれたみなさんの無念の声を受けると、やるせない気持ちでいっぱいになります。
コメントを出来ていなくても、悔しくて哀しい思いをされながらご覧になっている方も多数いらっしゃることでしょう。
一人一人に家族があり、職場があり、将来の希望があっての背景が浮かんできただけに、無念の一言です。
リベンジ受験に挑まれたなじみのある絶対合格フレンドの無念のコメントを目にする度に、やり場のない悔しさや虚無感が襲います。
数日くらいで気持ちを切り替えられなくてもなんらおかしくはありません。
私が今回このエピソードを紹介したように、私自身も不合格のショックというものを幾度となく経験しているので、痛いほどその気持ちが伝わってきます。
「自分だけ取り残されてしまった」という孤独感や疎外感にうちひしがれている方もいるかもしれません。
先日の記事でも申し上げましたが、私にできることは、こうしてブログで思いを発信し続けることだという結論は変わりませんでした。
この悔しい経験を未来へ。
みなさんとは置かれている環境も試験を目指された目的も将来のビジョンも当時の私とは異なっていることは百も承知です。
ですが、挑戦をされたみなさんに伝えさせていただかずにはいられませんでした。
福祉の道には向いていないと、失望を受けて方向転換を考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、どうか一つの試験の影響で、みなさんの希望や夢を閉ざさないでいただきたいです。
今年の合格者のみなさんの中でも、2回、3回、6回以上挑戦を続けられた方や、あと1点、2点の悔しさを味わって、何度も諦めようとしたけれども、諦めずに合格を果たされた方々が報われる瞬間を目の当たりにしているだけに、記事を書かずにはいられませんでした。
文章で気持ちを発信することが私にできる唯一のお手伝いだと自負しています。
つらい気持ちをコメントに吐露してくださる方、
合格を果たされて寄り添うような温かい支援を送ってくださる方、
みなさんがともに支え合えるような場を作りたいというのが私の一生の目標ですし、そういった志高い方に巡り会えて私の心も癒やされています。
私は漢検だけではなくて、他試験も含めてたくさんの試験を一発では結果を出せない経験を重ねてきました。
あの思い出したくもないような経験があったからこそ、今日の絶対合格ブログが存在します。
もしも不合格をあれだけ経験していなかったら、このブログは今日まで続けてこられませんでした。
おかげでこの文章を発信することが出来て、みなさんに今ご覧いただけているというご縁を感じています。
みなさんの蒔いた種は、たとえその瞬間が今ではないとしても、冬を越えて開花する時が必ずやってくると信じ続けます。