これまでも取り上げてきましたが、医療、児童、高齢者、障がい、更生保護、生活困窮者支援、行政分野において、年々社会福祉士を必要とする職場が増えています。
「社会福祉士」というキーワードをもとにネットでリサーチしたところ、11月だけでもこれだけの記事が出ました。
性犯罪加害者が社会で更生するためのプログラムを実施している社会福祉士・精神保健福祉士の斉藤章佳氏が分析する記事あり。
>厚労省は妊婦との接点が多い産科のある医療機関や助産所、貧困や家庭内暴力に苦しむ母子を受け入れる「母子生活支援施設」などに児童福祉司や社会福祉士らを配置する方針。政令指定都市など希望する10自治体に委託して行うため、人件費など必要な経費として来年度の概算要求に7800万円を盛り込んだ。
>人の一生を左右し、赤ちゃんの命に関わるので、社会福祉士等が丁寧に関わらないとダメなのですが、その分人件費もかかり、そこを埋めようとすると、育ての親の方からある程度まとまったお金を頂かなくてはなりません。(80万〜200万円)
■病院の治療費の相談をしたいとき
⇒ソーシャルワーカーに相談
病院の入院費などの相談、健康保険制度の手続きの仕方などは、かかりつけの病院に勤務している医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)が相談に乗ってくれる。
一例ですが、社会福祉士が他分野で活躍している実態が想像できます。
九州のように、ニーズが高いのに不足状態のSSWの例もありますし、東京都が今年度から新たに募集したユースソーシャルワーカーといった職種も登場しています。
2015年9月に厚生労働省が公表した「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョンについて」においても、 高齢、障害、児童等の福祉サ ービスを総合的に提供できる仕組みを推進することとし、多機関の協働による包括的支援体制に力を入れるようになっています。
コーディネーターの担い手として社会福祉士の配置が明確化されていませんが、専門知識を兼ね備えた社会福祉士の在り方については要検討事項とされています。
アウトリーチを含む包括的な相談対応と、世帯全体のニーズの総合的なアセスメント・ 必要な支援のコーディネートが求められていることから、社会福祉士の活躍が期待されていると言えるでしょう。
現に社会で機能する社会福祉士養成のために、将来的に社会福祉士履修過程において実習時間を増加させる等、ソーシャルワーク実践に重点を置くように進んでいます。
今後、自立相談支援機関(生活困窮者自立支援法)や地域包括支援センター(介護保険法)、相談支援事業所(障害 者総合支援法)など、地域における相談支援機関の中から、円滑なコーディネートを可能とするための「相談支援包括化推進員」という当たな職種が配置される方向のようなので、該当要件として社会福祉士有資格者が充てられる可能性も大いにあります。
ここで、改めて社会福祉士の登録者数に目を向けると、第28回試験時点で、合格者は204,399人おり、200,262人登録者数が存在します(平成28年4月末時点)。
20万人という数字を見て多いとみるか少ないとみるか(ちなみに精神保健福祉士の登録者数は73,303人で、介護福祉士の数は1,481,619人です)はそれぞれですが、前述したように、まだまだ社会福祉士の数が不足している業界も存在するのも事実です。
私の周りでも、「社会福祉士合格者の人に来てほしいに、なかなか応募がない」と嘆いている事業者の声を何度か耳にしているくらいです。
続いて、社会福祉士試験の受験者数ですが、第26回試験以降年々微減しているという現状をご存知でしょうか。
受験者数 合格者数
第26回 45,578人 12,540人
第27回 45,187人 12,181人
第28回 44,764人 11,735人
受験者数が4万人を超えた第17回試験以降は11,000人から13,000人台までの中で合格者を絞っています(第25回試験のみ10,000人以下)。
今年度の受験者数がどうなるのかまではまだ分かりませんが、登録者数が20万人を超えた節目の時期でもあります。
新たに社会福祉士として合格を果たされるであろうみなさんを必要とする世界が門戸を開いて待っています。