社会福祉士を目指すことが正解なのだろうか。
毎年のことですが、こんな風に漠然とした思いを抱えながら、社会福祉士試験を受験される方が意外に多いです。
もしくは、当初はやる気満々だったのに、あまりにも勉強が大変なことから、心が叫んでいる状態なのかもしれません。
社会福祉士受験の動機や合格後の目的が描けていないと、合格の可否に直結するというのは歴代の合格者の背中から教えてもらえています。
先述したように、勉強に躓いた時や壁にぶつかった時に、「何のために精神・社会福祉士試験を目指しているのか」を疑心暗鬼が募ってしまうと、「目標がはっきりしないから、頑張らなくてもいいや」と結論を出し、そのまま止まってしまう恐れがあります。
社会福祉士に受かっても、お祝い金をもらえるわけじゃないし、職に就けるわけないし、必ずしも必要じゃないし。
就職や転職に必須でない方にとっては、膨大な量をこなすのにあたって、「別に受からなくても良い」と納得させて楽な道を選ぶと、そのまま不合格コース一直線に進んでしまう危険性が格段に高くなります。
既に勉強を開始されているみなさん自身が肌で感じていらっしゃるでしょうが、この試験は膨大な科目量に加えて、専門用語や時系列が一筋縄では頭に入らずに、勉強自体が苦痛だと感じられるのが至極当然です。
現状維持が一番楽ですよね。
試験に合格しなくても生きていけるという状況で、周りに流されて申し込んでいたのだとしたら、勉強そのものが進まないのも自然現象です。
その苦痛を乗り越えてまでして合格を目指すモチベーションは何なのかと内観した時に、「合格へのきっかけや合格後のビジョン」が重要になってきます。
みなさん一人ひとりにこれらの資格を目指すだけの動機やその先の進路があるはずですよね。
「そんな大それたものは自分にはない!」
という方も、申し込んだ以上、合格を目指す何らかの理由がきっとあると思います。
資格に受かってMSWとして病院に就職したい!
とか、
社会福祉士合格後に社会保険労務士試験を目指したい!
という具体的なビジョンでないとしても、例えば、
試験に合格して、これまで一つの試験に努力して結果を出したことがなかった自分を変えたい!
とか、
試験に合格してモテたい!
という自分ならではの動機で十分です。
「モテたい」なんて理由で試験を受けるのは不真面目だし、そもそも受かったところでモテるわけではないと反論したくなるかもしれませんが、そういう一見邪道のように思える目標こそ、火事場の馬鹿力のように合格へのモチベーション維持につながるものです。
そもそも試験のきっかけを敢えて他者に口にする機会もそうはないでしょうし、自分の心の中で噛み締めている分には誰にも迷惑や不快感は与えません。
思い返せば私達が子どもの頃はたくさんの夢や目標が広がっていたはずですが、経験を積んで行くうちに、「自分には無理だ」と見切ったり、第三者から「君には無理だ」と烙印を押されて諦めるようになってしまったものだと思います。
そんな中から、精神・社会福祉士試験合格を目指しているというのは、他ならぬ自分の意思で選択して受験を進めている方が大半でしょう。
みなさんならではの動機や思いが根底にきっとはるはずですし、そこが合格への道標になってきます。
今まで受験の動機や合格後の進路を意識されたことがなかった方は、今からでも設定するのに遅いということはありません。
むしろ、目標が定まったことで、これまで停滞していた勉強が捗るようになるかもしれません。