精神・社会福祉士試験合格の後に目指す資格の第4回は精神対話士についてです。
そのネーミングから精神保健福祉士と混同してしまう方も多いようです。
2017年現在、協会のサイトによると、精神対話士とは、心の訪問ケア(アウトリーチ)の専門職と説明されています。
『対話で心をケアするスペシャリスト《精神対話士》の 人の話を「聴く」技術』
『対話で心をケアするスペシャリスト精神対話士の ほめる言葉』
『人の気持ちがわかる技術』 2016年10月発行 最新版
この三冊の作品は、財団法人メンタルケア協会が編集をしています。
「傾聴」する技術、相手を「ほめる」言葉の具体例を示しています。
事例を元に、「こんな場面でどのように対応するのが適切か」という解決策やヒントも載っているため、精神対話士を目指さなくとも書棚に置いておきたい内容になっています。
社会福祉士や看護士のような対人関係の職に就いている方だけでなく、日ごろ身近な人間関係を円滑に営んでいきたい方にもとても参考になる作品です。
精神対話士は、医師のような医療行為や、精神科医、臨床心理士のような精神療法を用いることなく、あくまでも対等な立場で、会社(対話)を通して人の心のケアを行うメンタルケアのスペシャリストです。
アウトリーチが中心で、クライアントに対しては、真心を持って話を聴いて、心を受け止めながら対話をしているのが活動内容です。
公式ページにて、社会福祉士資格との違い(アプローチ法や目的等)が説明されています。
この資格制度は、1993年に、慶應義塾大学医学部出身の医師たちが中心になって立ち上げられたそうです。
精神対話士になるためには、協会開催の「メンタルケア・スペシャリスト養成講座(基礎・実践課程)」を修了して、所定の試験に合格後に、協会と業務委託契約を締結すると、晴れて認定証が発行されるそうです。
2017年秋までの講座スケジュールはこちらから確認ください。
認定試験の合格率は、平均15%程度と、メンタル系の資格の中では相当難易度が高いです。
合格後に、派遣員として登録すると、全国からの要望に応じて、報酬を得られるようです。
モデル例としてクライアントが支払う費用は、1回80分6,425円だそうです。
詳しくは、公式サイトの精神対話士派遣から。
私も以前引きこもりの実子を持つ保護者の方からの相談に対して、精神対話士を紹介したことがあります。
自分から外部に出向いて助けを求められない引きこもりの方の支援に対しては、アウトリーチ型のニーズが高いことがうかがえました。
10年前に400万部を超える大ベストセラーになった『バカの壁 (新潮新書)』の著者としても知られている東京大学名誉教授の養老孟司さんが顧問を務めていらっしゃいます。
関連書籍

いのちを癒す「心のとまり木」―心のケアの専門職 精神対話士という仕事
- 作者: 小此木啓吾,メンタルケア協会
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
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