社会福祉士国家試験「今年こそは絶対合格計画」

社会福祉士・精神保健福祉士国家試験に40日以内で一発合格した管理人の学習法をベースに、不安を不っ飛ばして“安心”に変えられるブログを目指しています。

認知症サポーターと認知症カフェについてのまとめ

今回は社会福祉士試験の過去問でも出題されたことがある「認知症カフェ」と「認知症サポーター」についてまとめました。

 

f:id:zettaigoukaku-swpsw:20170609205234j:plain

 

 

 

認知症カフェとは

 

医療従事者や介護従事者としては、医師や看護師、社会福祉士、ケアマネジャーなどが参加しています。


認知症カフェの運営母体は様々で、最も多いのはNPO法人です(全体の31%)。

他にも介護事業者や地域包括支援センター、社会福祉法人、市町村が主催しています。

2017年の調査によると、1265の市町村に5863のカフェが設置されているそうです。

 

開催場所も様々で、地域包括支援センター、介護予防センター、病院や公共スペース、民家など、多岐にわたるようです。


内容については、「認知症の人やその家族が同じ境遇の人と出会い、交流する」「専門家に認知症について相談できる」「認知症の人がコーヒーを飲んで一服できたり、話を聞いてくる人がいる」「認知症の人がスタッフとして参加することで、生きがいが得られる」といった開催場所や団体によって多彩に展開されています。

参加費は無料から数百円といういわゆるカフェ感覚で気軽に参加できるというのが特徴のようです。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、休止していた場所がほとんどだったようですが、2020年6月以降は感染症対策を施した上で徐々に再開しているようです。

 

新オレンジプランについて

2015年1月27日に厚生労働省が発表した「新オレンジプラン」において、この認知症カフェについて明記されています。

2012年には高齢者の中で462万人が認知症又は予備軍とされており(7人に1人)、2025年には約700万人(5人に1人)に増加されると推定されています。

オレンジプランは2013年度から進める「オレンジプラン認知症施策推進5カ年計画」に代わるものですが、根幹となる考えは、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指しています。


認知症カフェについて触れられているのは、新オレンジプランの7つの柱にある「認知症の人の介護者への支援」です。


1.認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進 
2.認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
3.若年性認知症施策の強化
4.認知症の人の介護者への支援
5.認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
6.認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等 の研究開発及びその成果の普及の推進 
7.認知症の人やその家族の視点の重視 


認知症の人の介護者の負担軽減として、2018(平成30)年度からすべての市町村に配置される認知症地域支援推進員等の企画により、地域の実情に応じ認知症カフェを設置するという目標が新設されました。2020年末までとされていましたが、コロナウイルス感染拡大の影響もあり、目標に達するかどうかは不明です。

www.minnanokaigo.com

 

認知症サポーターについて

 

主催者やボランティアの担い手として、「認知症サポーター」が活躍しているところもあるようです。



image

※2012年に講習に参加してゲットした物です。

 

オレンジプラン7つの柱の中の「1.認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進」において触れられていますが、2017年度末にサポーター数を当初の600万人から800万人へと引き上げしています。

 

令和二年3月末時点で、認知症サポーター数は12,642,675なので、目標値を上回っています。

 

 

ただ、新オレンジプランの中では、単に認知症サポーター数を増やすことを目的とはしていません。

 

認知症サポーターを量的に養成するだけでなく、活動の任意性を維持しながら、認知症サポーターが様々な場面で活躍してもらうことに重点を置き、認知症サポーター養成講座を修了した者が復習も兼ねて学習する機会を設け、より上級な講座など、地域や職域の実情に応じた取組を推進するという内容にシフトしています。

認知症カフェで認知症サポーターが活動をするという取り組みは、まさに新オレンジプランに沿った有意義な形ですね。

認知症サポーターになるための養成講座は、都道府県及び市町村の認知症対策窓口や高齢者支援を担当する課にて開催の受付を行っています。

参加費は無料で、講義は60〜90分をめどに行われます。

具体的なカリキュラムは以下の通りです。


 1.認知症とはどのようなものか
 2.認知症の症状について(中核症状と周辺症状)
 3.認知症の診断や治療について
 4.認知症予防について
 5.認知症の方に接する時の心構えと介護者の気持ちの理解について
 6.認知症サポーターにできることとは?


定期的に実施しており、希望者はどなたでも参加できるので、ご興味がある方はぜひ最寄りの自治体窓口やWEBサイトをご覧ください。


ちなみに、今回取り上げた「認知症カフェ」と「認知症サポーター」は、第27回社会福祉士試験専門科目「高齢者に対する支援と介護保険制度」の問126でも出題されています。



問題 126 認知症施策推進 5 か年計画(オレンジプラン)に関する次の記述のうち,正 しいものを 1 つ選びなさい。 

オレンジプランは,認知症高齢者施策として,介護保険制度の創設と同時に策定された。 
オレンジプランにある「認知症カフェ」とは,認知症の人やその家族を支援するた め,認知症の人と家族,地域住民,専門職等の誰でもが参加でき,集う場をいう。
オレンジプランにある「認知症ケアパス」とは,認知症のケアに当たる介護職員の処遇改善の道のりを示すものである。 
オレンジプランにある「認知症サポーター」とは,認知症の人に対して,不動産や貯金などの財産管理を行う専門職をいう。
オレンジプランでは,若年性認知症施策については,言及されていない。


オレンジプランも含めて試験問題として出題される可能性は大なので、知識として押さえておいて損はありません。

  

ようこそ、認知症カフェへ:未来をつくる地域包括ケアのかたち

ようこそ、認知症カフェへ:未来をつくる地域包括ケアのかたち

 
認知症カフェ読本: 知りたいことがわかるQ&Aと実践事例

認知症カフェ読本: 知りたいことがわかるQ&Aと実践事例