私は社会福祉士・精神保健福祉士試験以外でも、他資格取得や進路に関する相談が寄せられます。
通年、この時期になると以下のような相談が際立っています。
1.試験の本番直前になると、緊張してしまって、「もしも落ちたらどうしよう」という、最悪なシチュエーションばかり想像していまい、怖くなる。吐き気を催して、いつも本領発揮できない。
2.会社を勤めて数年経つが、この職場に一生いるつもりはないので、安定できる公務員試験を受けているが、毎年落ちている。仕事を辞めて公務員浪人する他ないのだろうか。でも、収入がなくなるし、今の会社は人間関係は良いから迷っている。
将来への不安、自分に自信がなくて、モチベーションが下がっている様子が浮かびます。試験を受ける上で、「絶対に合格して、幸せになりたい!」という確固たるビジョンが要になってきます。
自分がブレてしまった時に、原点回帰が自分の未来への羅針盤となるからです。
『なぜ、タモリさんは「人の懐」に入るのが上手いのか?』の筆者である心理学者の内藤誼人さんが書かれた『成功者の習慣が身につく「超」心理術』の中でも、
「夢を叶えるためには、具体的で鮮明なイメージを持て」
「自分は絶対に上手くいくという思い込みパワーを持て」
「迷わずに即行動に移せ」
といった成功へのアドバイスが、心理学データをもとに紹介されています。
心理学の統計データや、一流アスリートのメンタル・思考面から、「成功している自分」を思い描き、そこに近づけていけるような行動を重ねて行けば、夢が実現できることを教えてもらえます。
資格試験の受験はいかにメンタルの面が大切であるかをいつも考えさせられますし、私自身も新しい試験にチャレンジする度に痛感しています。
試験慣れをしていれば不安なくして挑めるのかと言うと、私自身の経験をもとにすれば不安はどれだけ試験慣れしても解消しないものです。
精神的に不安に陥っている渦中で、会ったことがない第三者から
「悩んでいる暇があったら、1分でも勉強しろ」
と言われても、追い打ちをかけられているようで更にモチベーションが低下しそうになりますが、確かに立ち止まって震えているよりも、具体的に勉強を続けた方が心の不安が解消することを身をもって実感しました。
東京オリンピック2020入場曲「ドラゴンクエスト序曲」作曲家の故すぎやまこういちさんがドラゴンクエストのゲーム音楽を作るのにたったの1週間しか時間が残されていませんでした。
そんな過酷な条件にもかかわらず、当時55歳だったすぎやまこういちさんは「できる」と確信されたようです。
代表曲の序曲はたったの5分で創りあがったようですが、ご本人は下記のように述べられています。
(『ドラクエ』を代表する曲である)「序曲」は、5分でできました。そういうパッとメロディーが浮かんだ曲のほうが、こねくり回して作った曲よりも、素直で出来がいいものです。ただ、この曲は5分プラス、僕がそれまで生きてきた55年分が詰まっている。まあ、この言葉は、そういう言葉を残した画家のピカソの受け売りですが。
自信は一朝一夕で身に付けられるものではなくて、日々の鍛錬や繰り返しが蓄積しています。
不安から目を背けずに、試験勉強も、本番もやれるだけの力を振り絞って出し切ってみることで、窮地に陥っているような状況も違った目でとらえることができるかもしれません。
不安を解消させようとあがくと空回りしてしまうかもしれませんが、今抱えている不安を敵対視せずに、誰もが通る道だと認めてあげることで見えてくる世界があるかもしれません。
頑張っているからこそ不安が襲ってくるからです。
合格が具体的に近づいてこなければ、そもそも不安に支配されて頭を抱えてきたりはしません。
不安は合格への登竜門。
不安をかき消そうとせずに、合格が日に日に近づいていることを信じながら最後まで闘い抜きましょうね。