今回は精神保健福祉士試験専門科目編ということで、第26回の試験構成の予想について触れたいと思います。
第25回精神保健福祉士試験の合格点は95点でした。
まず、「一つ選べ問題」と「二つ選べ問題」の構成です。
「二つ選べ問題」の過去最多が第25回で、17問でした。
出題文の5肢については、第25回試験は文章問題(句読点がつく)は39問で、第20回試験以降では、第22回37問に次いで少ないです。
単語の数(例:扁桃体等)は41問で、第20回試験以降では、第22回39問に次いで多かったです。
ちなみに、第22回試験の合格点は90点でした。
精神保健福祉士試験第22回から25回までの合格率、合格点の推移は
第22回、第21回、第20回の合格率推移が62%台で、合格点が40、41、42点(専門科目)と微増でした。
第23回は64%、第24回は65%、第25回は71.1%で、合格点は44、47、49点と上昇中です。
第26回精神保健福祉士試験の合格点はどうなるのか
最新の第25回の合格率は71.1%、合格点49点(全体では95点)でしたが、第26回試験構成自体の大幅な変更はなく、合格率70%程度に収まるように調整され、実質6割程度に収まる点数で合格できる試験になる可能性が高いと推測しています。
なぜそう言えるのかの判断材料として、2020年11月に、社会福祉振興・試験センターから5年ぶりに送付された「就労状況調査」に書かれていた送付内容があげられます。
対象者は、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士の登録者です。
今回調査を実施することになった旨が下記のように書かれています。
3福祉士は、それぞれの制度発足以降、着実に登録者数が増加し、所属する施設や事業所、病院等において福祉・介護の専門職としてご活躍いただいており、近年、医療・福祉・介護ニーズの多様化複雑化に伴い、その重要性が益々高まっております。
一方で、少子高齢化が急速に進む中、人材不足といった課題も生じており、3福祉士の資格を有する方々が医療・福祉・介護分野において更に活躍できるよう、厚生労働省としても様々な取り組みを行っているところです。
昨年の記事でも触れましたが、コロナ禍後でも福祉職のニーズと専門性は高まっています。
第25回試験の受験者数は7000名を超えています。
第24回試験は約6500名ですので、500名も増加しています。
第23回試験以後受験者数は2年連続増加中です。
第24回試験から受験料が37%も増加し、社会福祉士試験よりも上昇していましたが、全体の受験者数が増えています。
受験生にとって精神保健福祉士資格のニーズが高まっている証であもります。
実際に、仕事柄就労移行支援事業所、就労継続支援事業所等のスタッフさんとやり取りをすることが多いですが、名刺に精神保健福祉士が書かれている方が年々増加しているように感じています。
国家資格キャリコンや2級技能士取得者で、精神保健福祉士を持っている方も複数見かけるようになりました。
第5回公認心理師試験の受験生の中でも、「次回は精神保健福祉士試験を受験する」という方の声が複数聴かれました。
社会情勢を見れば、貧困層はますます広がり、精神疾患を抱える方の支援や生きづらさを覚える方への調整がより必要になってくるでしょう。
質の高い社会福祉士や精神保健福祉士が必要とされるからと言って、今年度も社会福祉士試験の合格点を100点以上にして、合格率を20%程度に収めたり、精神保健福祉士試験の合格率を50%以下に絞るようになるという極端な動きにはなりにくいでしょう。
2022年1月に開催された試験検討会でも、6割基準は今後も継続されると報告されています。
現在の総得点の 60%程度を基準として難易度補正を行う基準は、安易に引き下げるべきではなく、今後も継続すべきである。
社会福祉士国家試験の在り方に関する検討会(令和4年1月 17 日)より
合格率や合格点がどのようになるのかは想像の域でしか留まりませんが、いかに出題傾向が変化したとしても、応用できる確実な知識が固まっていれば、絶対合格をつかみとることができます。
今回の国家試験では、受験者全体の合格率が70%を超えました。例年よりも高い水準となっていますが、最後まであきらめることなく、点数を取りこぼさないようにすることが合否を分けました。
精神保健福祉士の専門科目の出題内容を見てみますと、有資格者としておさえておくべき事項が大きく変わることはありません。共通科目につきましては、年度によって出題内容に変動があり、差がつきやすいといえます。日頃からしっかりと対策を行う上でも、過去問学習が重要である、といえる試験結果となりました。