91点
6割基準を突破していました。
今から遡ること21年前の2003年、第15回試験時です。
合格率は31.4%でした。
試験開始以来最高水準の結果です。
合格点を開示したのはこの15回以降なので、公開後初の90点でした(14回以前に90点台があったかどうかまでは私は存じていません)。
合格率が30%を超えたのは過去に5回あり、第8回と第15回、第30回、34回、35回試験です。
一体全体、この年に何があったのか?
それほど問題の難易度が簡単すぎて、合格点が跳ね上がってしまったのか。
その答えは先日記事にも取り上げた不適切問題の多さです。
第15回試験の合格発表日は平成15年3月31日でした。
この年は33452人が受験して、9800人が合格しました。
この時点では合格率は29.3%でした(その段階でも高いですが)。
では、どうして合格点と合格率がそこまで増加したのでしょうか。
不適切問題がなんと4問もあったのです。
この数は試験結果詳細を公開した第15回以降歴代最多とも言えます。
公的扶助論
問25 正答なし
問26 3及び4
児童福祉論
問104 正答なし
問107 正答なし
その結果全体の得点が上がって、90点を超える結果となりました。
ソース:第15回社会福祉士及び介護福祉士国家試験の合格発表について
更に衝撃は続きます。
翌月の4月25日に追加合格者の発表があったのです。
合格発表後に試験問題を見直した際に、なんと不適切問題が追加で3問も認められたのです。
老人福祉論
問81 正答なし
問82 正答なし
問83 1及び4
2つは全員加点となり、1つは複数正解という扱いになりました。
この処置によって、追加合格者が701名という結末になりました。
計7問もの不適切問題が出てしまった回でした。
合格基準点は変動のないものの、追加合格者によって合格率は31.4%になりました。
ソース:第15回社会福祉士及び介護福祉士国家試験の合格発表(追加)について
第31回試験のような追加合格は過去にも存在したのでした。
第14回試験までは合格点及び正答の公開はなかったので、この出来事がきっかけになったように推測させられます。
社会福祉士試験史上初(公開後)91点に終わった第15回にはこのような背景がありました。