白熱電球、蛍光灯、録音機、電気自動車、掃除機、扇風機、合成接着剤、テープレコーダー、アイロン、トースター、ガムテープ・・・・・・。
これらは全てある天才発明家が編み出した代表作です。
『天才エジソンの秘密 失敗ばかりの子供を成功者にする母との7つのルール) 』 ヘンリー幸田著
学習障害(LD)や注意欠陥・多動性障害(AD/HD)を抱えながら、1913件の特許を取得したエジソンのサクセスストーリーを母親の教育のルーツから探るような作品になっています。
「1+1はなんで2になるの?」
「鉛筆一本と鉛筆一本を足してごらん。二本になるだろ。当たり前のことじゃないか」
「でも先生、二つのコップの水を別のコップに入れると、水は一つのコップに入っちゃうよ。なぜ1+1は2なの?」
一年生のエジソンが担任の先生とかわした算数の授業のワンシーンです。
「なぜ」「なぜ」と繰り返される質問に先生は爆発しました。
バカ、ドジと怒鳴られ続けたエジソンは、たったの三ヶ月で退学します。
母親はそんなエジソンを受け止めて、家庭でマンツーマンの教育を行います。
エジソンの「なぜ」にとことん向き合って、知的好奇心を伸ばすことで、エジソンの才能は開花していきます。
エジソンの母ナンシーは、元小学校教師でした。
ところで、エジソンの発明品の代名詞とも言える白熱電球を製品として発表するまでに、どのくらいの実験を繰り返したと思いますか。
次の5択から正しいものを一つ選んでください。
1.約500回
2.約1500回
3.約8000回
4.約10000回
5.約14000回
正解は、5の約14000回です。
エジソンはそれだけの数の失敗を重ねても、成功するまでは失敗という概念を気に留めていなかったようです。
「一回も失敗なんかしていない。うまくいかない方法をそれだけ見つけられたのさ」と答えています。
また、エジソンは
「あなたはなぜ史上最高の発明家になれたのか」
という問いに対して、
「私は学歴がゼロだ。だから、発明家として成功した」
と答えています。
まさに逆転の発想ですね。
自分の知的好奇心を最大限に活かせる母ナンシーの教育を受けてきてからこそ大成を収められたのでしょう。
本書は偏差値教育比重の教育に対する警鐘や、母ナンシーがエジソンの幼少時代における成長を描いた手紙も紹介されています。
失敗してもめげない継続と好奇心の大切さを改めて教えてもらえます。
また、2008年に『エジソンの母 』という、伊藤美咲主演の小学校教師ドラマが放送されたようです。
「どうして?」が口癖のエジソン並みの才能を持つ(と言われている)小学生の少年・花房賢人に引っ掻き回されながらも、懸命に奮闘する様子をコメディタッチで描いているドラマとのことです。
自分に自信を見失っている時、自己改革を図りたい時に、参考になる作品です。