これまで自身の体験から、幾度となく勉強法のコツが合否を分けることを解説してきました。
短期間集中過去問勉強法と、その活用法を紹介してきましたが、今回は私の過去の失敗談をお話しします。
やみくもに独学で勉強すること、中途半端なモチベーションで試験に臨むことがどんなに恐ろしいことか、勉強法によって合否が大きく左右する実態を感じ取っていただければ幸いです。
4年前、初めて宅建受験を決意した時、私は宅建そのものを舐めていました。
宅建をはじめて知った『だから、あなたも生きぬいて』から、宅建の難易度を推測していました。
中卒で、勉強経験がない大平光代さんが夏からの学習で受かったのだから、三ヶ月あれば十分受かる。
「法律系資格の中で一番簡単なんだから、宅建程度なら独学で仕事の片手間に勉強すれば十分。」
という巷説を鵜呑みにしていました。
合格を目指す上で、無知ほど、怖いことはありません。
当時の私は盲目に眩んでいました。
私が宅建を楽観視していたもう一つの理由として、宅建受験の1年前に合格した漢検準1級の実績も影響していました。
合格率は11%で、私の人生でこれまでかというほど勉強して勝ち取った資格でした。
私は漢検に合格できたことで、すっかり慢心を覚えていました。
4月頃に意気揚々と宅建の過去問を買った時、まさか自分が多年受験になろうとは想像もしませんでした。
なーに、過去問を3周回して答えを覚えれば何とか受かるだろう。
4月は仕事が忙しいことと、宅建は直前にすればなんとかなると、たかをくくっていたことから、全く手をつけませんでした。
実際に7月頃からこんな調子でマイペースで開始した私でしたが、学習当初は基本テキストと過去問が机の上に置いてあるだけで、満足してしまい、なかなか本腰が入りませんでした。
明日やるさ。
今日は疲れているからまた明日。
まだ四ヶ月もあるから挽回できる。
そうこうしているうちに全然勉強した感覚がないまま本番を迎えました。
完全に詰め込み式で臨んだようなものです。
試験開始後に早くも「受かるはずがない」と不合格を悟りました。
全く解らないのです。
得点源の宅建業法すらも。
結果的に、漢検準1級と同じような勉強法だけでは合格できませんでした。
試験内容や求められる水準が異なっているため、当たり前だったのですが、漢検合格で浮かれていた私は気がつくわけがありませんでした。
漢検受検時は、徹底的に過去問や問題集を解いて暗記さえすれば合格できました。
しかしながら、初めて触れる宅建の世界は、単に過去問の答えだけを覚えても、一年目は6割弱しか取れませんでした。
今まで、高校・大学受験とパスしてきた自分は、独学で広範な勉強を成し遂げた経験は皆無だったため、正しい勉強法が解りませんでした。
これが独学の怖いところなのです。
勉強にはテクニックが必要で、合理的なやり方があることに身を持って知ったのは、この時から数年後でした。