不適切問題がヒートアップしてきたのは、試験終了間もなくしてでした。
解答割れをしていた「問96」は、第23回の解答速報で全問的中させたけあサポが「3」にしていたため、「4」を選んだ私の命運を左右しました。
たかが1点と思われがちですが、この1点によって合格かどうかが分かれるので、重大でした。
1点の差で、毎年数千人くらいの受験者が悔しい思いをしている現実を見ても、侮れないのです。
私は学生時代漢検準1級を受検した時に、「あと1点」という決して忘れられない体験があったので、その辛さは二度と味わいたくありませんでした。
更に追い打ちをかけるように18科目群の中で1科目だけ自己採点で「1点」という現実が待っていたため、首の皮一枚という不安感が恐怖に拍車をかけました。
試験終了後には「落ちても仕方がない」「また来年か」と、諦めの境地に達していたのに、いざ自己採点をした結果、合格の可能性が見えてきたことで、にわかに「なんとしても今回合格したい」という欲が湧いてくるのです。
どれだけ自分が合格を渇望していたのかを再認識することになり、合格発表日まで合格を願わずにはいられない日々が待っていました。
不適切問題についてですが、第24回試験は、2~3問ほど疑惑の声が挙げられていました。
最後まで物議を醸し出していた問題が、問44、問130です。
問44は問題文の誤植によるため、問130は、各模範解答に割れがなかったのですが、受験者の間では、事例文があいまいだし、現場に携わっている人間からは、「実際のサービスでは、模範解答とは違う選択肢を使っている」との声があげられて、波紋が広がっていました。
肝心の私は、問44も問130も、模範解答通りだったので、正解になる予定でした。
もしも不適切問題と認識されると、全員加点になり、ボーダーが2点上がる可能性があるので、「もしも」の恐怖が押し寄せてきました。
ネットの書き込みを見ていると、「不適切に違いない」と、センターに指摘した人もいたようで、行方が気になって仕方がありませんでした。
私と同じように、ボーダー上にいた方も、祈るような思いで、固唾を呑んで見守っていたのではないでしょうか。
長い長い合格発表までの間、不安はますます募りました。
後の第28回試験では不適切問題が2問登場しましたが、一点や二点が問題の不備で動かされるかどうかの緊張感はボーダー上の方でないと分かり得ない感覚です。
唯一の希望は、小高塾が79点ボーダー予想をしていたことと、『見て覚えるナビ』筆者伊東氏がブログにて、「今年のボーダーは80点を下回るかもしれない」という見解を示していたことです。
分刻みで新しい情報を模索して、「もしかしたら、自己採点ミスがあるかもしれない」と、何度も何度も問題用紙と自己採点を繰り返しましたが、私の場合は85点前後というのは変わりありませんでした。
頼むから今年の合格点は86点以上にはならないで欲しい。
一点でも下がって欲しい。
不適切問題は起きないで欲しい。
絶対合格を何百回と心のなかで唱えつつ、藁にもすがる思いで合格発表日までの45日間祈り続けました。