平成24年度第25回社会福祉士試験と第15回精神保健福祉士試験から、試験内容に大幅な変化が見られました。
「正しいものを二つ選べ」問題の登場です。
以後最新の第34回社会福祉士及び第23回精神保健福祉士試験まで、両試験ともに欠かさずに出題されています。
当時は何の前触れもないようで、本番で混乱された方が大勢いらっしゃいました。
実は以前からこのような新出題形式を匂わせるようなソースがあったのです。
厚生労働省が過去に発表した「社会福祉士及び介護福祉士国家試験の今後の在り方について~ 20回の実績を踏まえた検証と新カリキュラムへの対応 ~」において、この出題を匂わせるような箇所があったのです。
下記部分の3になります。
1将来的には絶対基準により評価を行うことを視野に、今後、問題の質の改善と難易度のさらなる安定化を図る努力を行いつつ、当面、問題の難易度による補正方法の改善について検討を行う必要がある。
2一問一答形式の問題に簡潔な状況を付すことにより、状況に応じた判断力を問うことができる問題(以下「短文事例問題」という。)を出題するとともに、短文事例問題も含め、事例問題の出題数を増加すること。
3科目の特性に応じて、単に「○○は○○である」といった事実関係のみに言及する選択枝に留まらず、「○○の状況下において、○○となると、○○となる」といった知識の連続性や状況に応じた知識の活用力を問うことができる選択枝による問題を出題することを検討する必要がある。
四枝択一問題や五枝のうち2つの正答枝を選択させる「複数正答選択形式」による問題を出題することを検討する必要がある。
リンク元:厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/kokka_shiken/dl/01.pdf
第35回試験においても多肢選択形式が用意されることは発表されています。
第25回精神保健福祉士試験も同様です。
もはや試験の定番となった二つ選べ問題ですが、当日やってしまいがちなのが、「一つしかマークしなかった」という見落としです。
「そんなことは自分に限ってはない」と思われる方が大変でしょうが、ブログ開設以来毎年必ず受験後に悔やんだ声が寄せられています。
何を隠そうこの文章を書いている私も精神保健福祉士試験専門科目で1問やらかしてしまいましたからね(苦笑)。
たとえその一つが正解であっても、二つマークして二つとも正解していないと、1点にはなりません。
当日は余裕がなくなってしまいがちですが、1点死守のためにも、問題文をしっかりと確認してください。
また、第35回社会福祉士試験問題を予想する上で、この「二つ選べ」問題の配置も影響してくると思っています。
第34回社会福祉士試験では、二つ選べ問題が16問登場しました。
過去一番多かった回は、第31回試験で22問、次いでは第28回試験で20問でした。
第31回試験の合格基準点は89点、第28回試験は88点で、6割程度に位置する点数に定まりました。
もちろん、二つ選べ問題が多かったことだけが起因していると断言できませんが、第5回公認心理師試験のように、「二つ選べ問題」を増加させて、更に文章量も増やして、二つまで絞りにくい問題構成にすることで、受験生全体の得点を減らすことができるように仕向けられます。
当日どのような出題が待ち構えていても、絶対合格を果たせるために、正しい知識を確実に蓄積し、マークミスがないように当たり前のことを当たり前に重ねて行ってくださいね。