資格試験において、真のライバルは他人ではなくて、「己」と表現されることが多々ありますが、一番手強い相手は、その己が造り上げた想像力とも言えるかもしれません。
挑戦する過程において、「勝手に震えてしまう」受験生が少なくはないからです。
合格発表日まで、常に不安に支配されていて、ビクビクしている状態です。
「こんな自分が受かるはずがない」
というセルフイメージを常に抱えているのです。
実際に合格をした後も、
「こんな自分だから、専門家としてやっていける自信がない」
と震えている社会人もいます。
他者から見れば大げさだと思えるかもしれませんが、本人は自分が作り出したセルフイメージにとらわれて、震えてしまうのです。
そういうと、いかにもネガティブな人物像が浮かんできますが、実際傍から見ると、彼や彼女らは魅力的な要素をたくさん兼ね備えているのです。
仕事も率なくこななしているし、気配りも上手で、他者への思い遣りを常に欠かしていません。
いくら外部の人間が、「そんなことはない。君にはこんないいところがあるよ」と伝えても、本人は素直に受け入れることができずに、震え続けているのです。
セルフイメージを変えるのは簡単ではない?
自動思考という言葉があるように、長年に渡って蓄積した思考のクセによって、そう簡単にセルフイメージを改善できないこともよく分かります。
そもそも他人から見た自分と、自分が思い込んでいる自分というものは誰しもギャップがあるものです。
自分にとって短所だと思える部分が、第三者から長所だと感じられるような場合も少なくはないですよね。
自分が思い描いているセルフイメージから一歩離れてみると、生きづらさの解決の糸口になるかもしれません。
そこで、今回紹介するのは、「ジョハリの窓」です。
ジョハリの窓とは、心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インガムが発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」のことを言います。
自己には、
「公開された自己」(open self)
「隠された自己」(hidden self) があると共に、
「自分は気がついていないものの、他人からは見られている自己」(blind self) や、
「誰からもまだ知られていない自己」(unknown self) もあると考えられる。
Wikipediaより
勝手に震えている方にとっては、自分が作り出したセルフイメージが唯一無二のものとして固まっていますが、実際には4領域の観点から自分像というものを捉えることができるという考え方です。
私は以前、「コミュニケーション能力2級講座」に参加した際に、受講生とペアを組んでこのテストを行いましたが、自分と言う人間を多角的に見つめ直す機会になりました。
思い込みをなくすのは一朝一夕ではいきませんが、自分の知られざる一面を理解するために、 ジョハリの窓という心理分析も有効な手立てになると思います。
要するに、思い込みを薄めるためには、視点をずらして、多角的な観点から物事を捉えられることです。
そのためには、第三者からのアドバイスも大きいですが、根本的には試験に合格することや、実務に就くこと、つまり実践が一番効果的であると私は思います。
想像の世界に縛られている状態は、自分の頭の中で堂々巡りをしたり、自己完結したりしているわけなので、「案ずるより産むが易し」というように、行動を重ねることによって、事実と思い込みの乖離を減らしていくことが肝心です。
一人で行えるサイト:ジョハリの窓で自己分析