2024年3月20日を持ちまして、JCDA、CC協議会ともに第25回国家資格キャリアコンサルタント実技試験が全行程終了いたしました。
まずなにより、この年度末の多忙な時期で、寒暖の差も激しくて体調管理も難しかったことだと思われますが、受験されたみなさま、まことにお疲れ様でございました。
私も一年前のちょうどこの時期にCC協議会試験で受験しておりますが、当日は朝から雨で気温も10度を下回るくらい寒い日だった記憶があります。
思わず、ロールプレイ役の相談者に対して開口一番、「このお足元が悪い中、ご足労いただきまして、まことにありがとうございました」と、天候の悪さをネタに使ってアイスブレイクを図ったことが記憶に新しいです(お相手の反応は「はぁ・・・」と、表情一つ変えられませんでしたが)。
私は実務で10年程面談を経験しておりますが、試験終了後の疲労感はと言ったら、異なるほどのとてつもない感覚が残り、数日間続いていました。
さぁ、これからもっとお相手のことを知って行きたいというタイミングで制限時間になり、不完全燃焼のまま終わってしまったから、行き場のない思いを抱えたまま、合格発表まで自問自答を繰り返していたのだと思います。
つまり、私自身試験の手応えというものはほとんどありませんでした。
それは、ロールプレイだけではなくて、直後の口頭試問についても共通しております。
現在、全日程別の受験生試験感想アンケート結果を集計しておりますが、7割以上のみなさまが「手応えがない」という声が共通しております。
こればかりは、受検した方でなければわかりづらい感覚ですし、これだけたくさんお受験生が感じておられることが分かります。
上記の記事内でも述べましたが、私含めて、歴代の合格者の声(CC協議会、JCDAともに)を集約しても、手応えを感じられなくとも、合格している方は多数存在します。
キャリコン試験は、手応えの多寡によって、合否には直結しないということです。
この手応えはというものは、ロールプレイ役の反応や展開の中で肌で感じられる感覚であるものだと推察されますし、口頭試問でも、問われた質問に対して、ロールプレイを振り返ってみて適切に答えられているかどうかを自己分析で導き出しているというところだと思われます。
やはり、限られた時間の中、初見で発表される事例ケースを受けて、15分という短い時間内で事前知識や練習を遺憾なく発揮して、解決につなげられるほどキャリアカウンセリングは簡単なものではないですよね。
「もっとああしておけば」という後悔や、終えた後に冷静に振り返りをして気づいたことがあるのは、自分に不足している課題や、より良い支援のために何が必要なのかを考えられるプロとしての意識が高いからだと思います。
それでは、手応えがあった方が合格できる可能性が高いのかというのも気になる方もいらっしゃるかもしれません。
逆説的な視点なので、そういう感覚にならないと答えられないと思いますよね。
実は、私自身それなりに手応えがあったのに、実技試験で不合格になったという経験もしているのです。
何を言っているのかというと、国家資格キャリコン試験は手応えが微妙なまま一発合格を果たせましたが、上位資格であるキャリアコンサルティング技能士2級実技試験は、反対に手応えが意外にあったものの、不合格となったのです。しかも今日のことです。
本日3月21日に第31回試験の合格発表が公開されましたが、そこに私の受験番号は記載されておりませんでした。
まだ点数の書かれている通知が届いていないので、具体的にどこが至らなかったのかについては言及しにくい部分がありますが、少なくとも実技面接試験については国家資格キャリコン試験と比較しても手ごたえを感じられました。
どこがどう違うかと言いますと、相談者役の反応の差、そして自分自身の心の余裕や展開の仕方について、国家資格キャリコン試験時よりも「展開できた」感がありました。
2級技能士面接では、システマチックアプローチでいうところの問題把握の先にある目標設定まで到達するのが望ましいと打たれており、私は方策の合意まで時間内に進めることができました。
終盤では、相談者役の明らかな変化(自分の課題に気づき、一緒に進めて行くことへの前向きな姿勢)を言動から目の当たりにできましたし、次回への約束も交わせたので、ロールプレイの段階で、「上手くいったかもしれない」と、達成感のようなものを感じられました。
口頭試問でも、相談者役の反応を根拠に、ベストは尽くせたように振り返っています。
もちろん、できなかったことや、もっとああ言っていればという反省は多々ありますが、手応えは確かにありました。
そんな手応えがあった私でも、現実は不合格です。
不合格のショックよりも、どこをどうやったら合格レベルまで磨けて行けるのか、今後客観的に自分を分析できないと、熟練レベルまでの到達は厳しいことを痛感しております。
私は国家資格キャリコン試験では、手応えのつかめなさによる悶々とした気持ち、「もっと自分ができることがあったのではないか」という念を昇華させるために、2級技能士試験にトライしたという思いもありました。
結果通知の内容次第ですが、不合格の現実を受け止めつつ、何が足りなかったのか、またレベルアップを重ねる旅に出発したいとは思っています。
みなさまの中には、国家資格キャリコン試験を終えて、伸るか反るか、複雑な気持ちを抱えたまま、合格発表日まで過ごされるという方も少なくはないと思われます。
この「不完全燃焼感」は、今後対人援助職や新しいキャリアを築いて行く上で、大きな財産となると私自身は実体験から確信しております。
残念ながら独学での2級技能士試験初挑戦は敗れましたが、国家資格キャリコンを受検していなかったら、そもそも受けることにすら辿り着かなかったです。
実務面でも、キャリコン試験を受けてから面接時における心得や技法の意識が変わり、結果的に相談者にとの関係性が円滑になったという経験も重ねております。
みなさまが最善を尽くされた国家資格キャリコン試験の恩恵は、今後遅かれ早かれ還元される瞬間が訪れると信じております。
25年くらい前から数々の資格試験に挑戦し続けてきましたが、国家資格キャリコン実技面接試験ほど人間力を試される試験はそうそうないと思っておりますが、そんな難しい試験に挑戦されたあなた様は勇者です。
何より、来月の合格発表日にみなさまのそのモヤモヤが晴れて合格の瞬間を迎えられるように、私は心から願っております。
ともにこの葛藤を共有させていただけている戦友として。