今回は、本試験の合格ボーダーについて、考えていきたいと思います。
第20回以降の過去6回分を見ても、本試験では、不適切問題を除いて、85点を取れれば、合格できる試験レベルになっています。
回 ボーダー (不適切問題の数:処置) 合格率
■旧カリキュラム(13科目)
第20回87点 (不適切問題3問あり=2問全員正解:1問2肢正解)30.6%
第21回85点 29.1%
■新カリキュラム(19科目)
第22回84点 (不適切問題2問あり=2問全員正解)27.5%
第23回81点 28.1%
第24回81点 26.3%
第25回72点 18.8%
みなさんは、「85点」という数字を聴いて、高いと感じますか?それとも低いと感じますか?
もしも100点中の85点ならば言うまでもないですが、150点中の85点ならば、いかがでしょうか。
恐らく第26回の本試験も、85点以上をキープできれば、高い確率で合格圏内である可能性が高いと推測します。
新カリキュラムになってからの流れ、特に第25回試験の結果を考慮しても、次回から試験難易度を下げて、合格点を大幅に上げるというねらいは考えにくいからです。
85点を突破することがどのくらい簡単なのかどうかは、受験層が千差万別のため、一概には言えません。
私の経験上から言わせていただけば、「前提条件次第」だと評します。
85点突破を簡単だと言える前提として、
1.学習期間として三か月以上費やしていて、継続してしっかりと本番に臨める力を備えている人
2.過去に社会保険労務士や、司法書士など、難関資格に合格していて、本試験を受ける人
3.ケアマネ、精神保健福祉士、介護福祉士など、複数の福祉資格に合格していて、試験慣れしている人
4.日頃から、新聞やネットの情報収集で、福祉ニュースをチェックしている人
5.すでに本試験に合格していて、第三者的立場から余裕をもって言及できる人
この中の条件が2つ以上重なっている方だと思われます。
第25回の本試験では、合格点は72点でした。不適切の数は0でです。
初回受験者や、試験に詳しくない方が見れば、150点で72点取れれば、「楽勝じゃん」と、高をくくってしまう方は少なくはないでしょう。
数字だけ見れば、5割以下でも受かる点数ですから。
ですが、その回の合格率が20%を切っていることからも、「簡単である」と安易に判断されない方が聡明です。
そして、合格点だけでは読み取れない合格率事情として、0点科目の存在にも留意しなければなりません。
第24回、第25回試験では、総合で合格点以上を取れているけれども、0点科目があったため、不合格になってしまった方が多数いらっしゃったようです。
このようなケースは毎年のように見られます。
私の知り合いにも、総合で100点を超えているものの、現代社会と福祉分野で0点になってしまうために、数年間不合格が続いている人がいます。
「自分に限っては0点科目はないよ」
「85点くらい余裕だよ」
このような楽観視は非常に危険な試験レベルになってきています。
本番は狙ったままの点数を叩き出せる方は稀だと思います。
とにかく1点を死守すること。
そして、合格基準である6割程度(85点とします)を目指せるような基礎学力を培えれば、どのような合格率であろうと結果はついてきます。