初めての集団受験、嘘のような本当の話
私の友達のN君が卒業した福祉大学であった、嘘のような本当の話を紹介します。
さかのぼること6年前、社会福祉学部が創設されてから初めて卒業する第一期生の学生達が、4年間の集大成として、挙って第19回社会福祉士試験を受験したそうです。
この大学は福祉業界への就職率が90%を超えているのもあって、受験生達の9割が1月の試験日までに就職先が決まっていたそうです。
ここからが驚きだったのですが、社会福祉士を受験した数十名の学生達は、十中八九万全な受験勉強をせずに、本番を迎えたそうです。
その理由は、就職先に社会福祉士資格を求められていない、9月~12月までの受験の山場は、就職活動の追い込みで、受験勉強どころではないと、異口同音に述べていたそうです。
「受験勉強、みんながやらないから自分もやらない」という群集心理が働いたようです。
皆右に倣えで、受験モードにならないまま、なんちゃって卒業試験の気分で受けたそうです。
その結果はどうだったと予想しますか。
50名以上が受験して、合格者は一人のみだったそうです。
ちなみに、第19回本試験の合格率は、12345名で、合格率は27.4%でした。
私にとってその話は青天の霹靂でした。
社会福祉士試験って、合格率が28%前後なのに、4年間福祉の専門分野を勉強した大学生でもたった一人しか受からないのかと、感嘆しました。
実際に自分が受けてみて、記念受験のお気楽気分で受かるほど、甘くはない実体を知りました。
唯一の合格者は、就職先から、有資格者を必須条件で求められていたため、必要に駆られて勉強をしたそうです。
合格できる人は、マグレではありません。
人と同じことをしているのではなくて、凡人の何倍も努力しています。
この話を単なる他人の失敗談として聞き流すか、明日はわが身と、自分の姿勢を省みて、行動に移すのかによって、未来が変わってきます。