相談対応の限界と連携の大切さについて
失恋、人間不信、就職の挫折など、自信を失っている方々が毎日のようにいらっしゃいます。
・相手の気持ちを教えてください。
・何が正しいのかを教えてください。
・どうしたほうが良いと思いますか。
・私を助けてください。
・私に諦めろというように言いたいのですか。
と、声を大にして訴えてくる方が増えています。
そんな絶望の淵に立たされている方に対して、私は話を聴くことくらいしかできません。
何が正しくて、何が間違っているかを判定したり、相手の心を千里眼のように見通せるような力はないからです。
あくまでも、私が救うのではなくて、ご自身が気づいていけるような援助を心がけています。
気づきのきっかけを与えられるようなスタンスを第一に接しているからです。
そんな態度続けていると、
「分かってもらえるかと思ったから相談したのに、もういいです」
というように、失望を覚えて、後を去っていく方も稀にいらっしゃいます。
相手の力になりたいと思って接している身なので、なんとも言えない複雑な気持ちが残りますが、私はその方がいつか抱えている問題を解決できて、自己実現を果たせるような人生を送れるように願うことしかできません。
きっと、今の自分を肯定してもらうような言葉を期待しているのでしょう。
しかし、もしもそこで私が認めてしまったら、現状打開のきっかけに気づいてもらえなくなってしまうこともあるのです。
そんなわけで、敢えて厳しい言葉をかける時もあるのです。
そうは言っても、後になって、
「自分の対応は適切だったのか」
「もっと違う方法があったのではないか」
と、自問自答が続くことが多々あります。
以前、下記のように、切羽詰った方がいらっしゃいました。
自分がこんな不幸な人生を送っているのは、これまで関わってきて、自分を見下してきたあいつらの
せいだ。どうせ、もうやり直しなんてできないし、あいつらをめちゃくちゃにしてやりたい。
その方とのやり取りは長期に渡りましたが、複合的な背景が絡んでいる実態が浮き彫りになっていたため、自分の限界と責任を強く感じていました。
でも、私が弱音を吐くわけにはいきません。
相談者様は絶えず不安な中、一縷の望みをかけて、私のもとにやって来てくださったからです。
そんな中、幸いなことに、相当な反響があったようで、色んな方々がその相談者の方に対して励ましのメッセージを送ってくれました。
もしも自分一人だけだったら、どうなっていたのか分かりません。
相談対応に対して、自問自答は尽きませんが、連携や協働の必要性を改めて感じさせられました。